【情報提供】『みんなの双極症』(南中さくらさん著)
編集部の鈴木さんのご縁で恵贈いただきました。
ブロガーでも有名な兵庫県三田市「さくらこころのクリニック」院長の南中さくらさんという方が著者です。これまでの現場でのご経験から、わかりやすくかつ的確な内容となっています。タイトルは『みんなの双極症』とのことですが、ほかの診断の方にも有用だと思います。特に、発症間もない人や家族の方に手に取っていただければと思います。
双極症は、気分が落ち込み、意欲がなくなり、悲観的な考えになる「抑うつエピソード」と、
気分が高揚し、活動的になり、誇大的な考えになる「躁病(軽躁病)エピソード」を繰り返す病気です。
「うつ病」に比べて、まだまだ世間に認知されていない病気ですから、
双極症と診断された患者さんやご家族は、戸惑い、どう対処していったらよいのか迷われることでしょう。
私はブログ上で、「主治医には聞きにくいこと」をテーマに双極症患者さんからの質問に答えてきたのですが、
その一問一答を今回、一冊の本にまとめることになりました。
今までにも双極症の本は多数出版されていますが、
患者さんの困りごとや悩みごとに具体的に助言するものは少なかったように思います。
科学的根拠のある話から、私の治療者として、経験者としての経験からの回答となっている部分もあります。
質問への回答に「うんうん」と頷いてもらえることもあれば、
「ちょっと違う気がする」と感じられることもあると思いますが、
迷いや戸惑いの中にある読者のみなさん病気への理解を深めることや、
再発予防のための生活習慣を見直すことに役立てていただけると幸いです。
それらに加えて、この本をきっかけに、ご自身の困りごとについて、
主治医、家族、支援者などとコミュニケーションしてもらえることも期待しています。
私のクリニックのテーマは、「学ぶ、行動する、つながる」です。
双極症について正しい知識を得て、それをもとに行動して症状をコントロールしていきましょう。
また、孤立感は双極症と付き合う上でマイナスに響きますから、
何らかの形で同じ病に悩む人とつながり、力を得たり、経験知を分かち合ってほしいと願っています。
▼合同出版