【活動報告】高知県中土佐町にて障害のある人の防災の取組みを視察

2025年7月精神障害当事者会ポルケでは、高知県中土佐町を訪問し、精神障害のある人を含む個別避難計画の策定状況について現地でのヒアリングと意見交換を行いました。調査プロジェクトにご協力いただいている東京大学の井筒節さん、東京科学大学の塩澤拓亮さん、そして現地のコーディネートをいただいた高知県立大学の玉利麻紀さんにご一緒いただきました。中土佐町では、災害時要配慮者支援の一環として、障害のある方々一人ひとりの状況に応じた防災支援が進められています。今回の訪問では、特に精神障害のある人に焦点を当て、実際にどのような配慮や体制が取られているか、個別避難計画の策定状況を踏まえた課題や工夫点についてお話をうかがいました。

中土佐町では、役場をあげて要配慮者支援名簿に掲載されている対象の人々に町の職員さんが部署を越えて従事されているとのことでした。南海トラフ地震の被害が想定される地域において、防災に関する意識の高さから、職員のみなさんの熱量もひとしおです。地区わけをし、対象者ごとのニーズを丁寧に把握し、支援体制を整備していく姿勢が伺えました。また、計画を立てること自体が、当事者にとって災害への意識を高める契機になっている様子も印象的でした。

ほかにも福祉施設での防災カルタを用いた防災学習のプログラムの体験や津波対策で設置をされている避難タワーの視察を行うことができました。

今回の視察を通じて、地域を越えて、当事者の声に耳を傾けながら、きめ細かな防災支援を実現することの可能性と課題を改めて確認する機会となりました。また、避難生活を見据えた内容をどのように個別避難計画づくりに組み入れてくことができるか、今後団体の取り組みの中でもさらに考えていきたいと思います。

当会は引き続き、精神障害のある人のインクルーシブ防災の実現に向けて、全国各地の取組に学びながら、政策提言や実践活動を展開してまいります。

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