【活動報告】東京都の移動支援従業者養成研修カリキュラム改定について(声明)
東京都の移動支援従業者養成研修カリキュラム改定について(声明)
一般社団法人精神障害当事者会ポルケは、東京都が2026年4月1日より移動支援従業者養成研修のカリキュラムを「知的・精神障害者移動支援従業者養成研修課程」へ改正し、ホームヘルプに関する知識やサービス利用者の理解等に精神障害に係る内容を加える方針を示したことを歓迎します。
当会はこれまで、東京都および東京都議会に対し、移動支援従業者養成研修の対象に精神障害を含めることを一貫して要望してまいりました。精神障害のある人への移動支援の拡充は、障害者権利条約が掲げる地域生活(第19条)と移動の確保(第20条)を具体化するうえで極めて重要です。移動の保障は、通院や買い物といった日常生活のみならず、社会参加の機会を開き、自分らしい地域生活を支える基盤となります。こうした地域生活の推進は、障害の有無にかかわらず誰もが地域で暮らし続けられる共生社会の実現にも資するものです。
一方で、これまで多くの区市町村では精神障害のある人も移動支援の対象となっていましたが、現行の養成研修課程の修了は、精神障害のある人への移動支援を担う資格を得ることができませんでした。また、知的障害のある利用者の中には精神障害を併せ持つ人もおり、支援の現場では精神障害の特性理解を含めた学びの充実が強く求められてきました。今回の改正により、研修修了者が精神障害支援の担い手として地域に広がり、移動支援を起点に地域の支援体制そのものが厚くなることを期待します。
加えて、東京都の通達において「当事者が研修の一部を講義することも考えられる」と明記された点は、障害者権利条約第4条3項が求める当事者参画を制度運用の中に位置づける重要な一歩だと考えております。当会はこれまで、大田区や指定委託を受けた民間事業所が実施する移動支援従業者養成研修において、講師派遣等で協力してまいりました。今後もこの実績を踏まえ、研修に資する資料の作成や、他自治体・法人が実施する養成研修への協力を進めていく所存です。
当会には、精神障害があることで公共交通機関の利用に困難が生じるなどして、外出や社会参加を諦めざるを得ないという相談が寄せられてきました。必要な人に必要な支援が確実に届くこと、そして適切な地域支援の広がりが進むことを強く期待します。東京都におかれては、本改正の趣旨が現場の運用に確実に反映されるよう、関係区市町村、研修実施主体、事業者等との連携のもと、継続的な検証と改善を重ねられることを求めます。当会も引き続き関係者の皆さまとともに歩みを進めてまいります。
【参考資料】東京都障害者(児)移動支援従業者養成研修実施要綱等の改正
【別添1・2】移動支援従業者養成研修の改正について
2026年1月14日
一般社団法人精神障害当事者会ポルケ
代表理事 山田悠平

.png)
