【活動報告】第81回お話会レポート(支援者との関わり、生活の工夫、回復した後について)

秋だと思っていたらあっという間に冬の寒さがやってきました。そんな折の2023年11月18日、東京都障害者福祉会館において、第81回お話会が開催されました。今回は、初めて参加される方3名を含む12名の方にご参加いただきました。今回挙げられたテーマの一部をご紹介します。

◇支援者との関わり

精神障害のある人は意見が尊重されない、というご意見がありました。つらさを支援者に伝えても「病気の人が言っている」という雰囲気で対等な関係として扱ってもらえない、主治医の機嫌が明らかに悪いときにこちらが気を遣いその結果疲れてしまう、診察のたびに主治医に怒鳴られる、といった声がありました。また、実際に「精神障害者に見えないですよね」と言われたという話や、管理的でつらかった入院経験を「(入院治療という)つらい経験をしたんだからあなたは大丈夫」と言われてしまったという話もあがりました。

お話を伺っていて私が感じたのは「パターナリズム(父権主義)」ということです。「あなたのため」として本人の意を汲まずに制限・干渉する。それがこのように表れているのではないかと思いました。とてもつらいお話しを、言葉を選びながらしてくださったり、聞き入っている方が多かったように感じました。また、今の主治医はつらさをわかってくれている感触がある、めぐり合わせで今の主治医に出会えたのかもしれない、というお話もあったことを付け添えさせていただきます。

◇生活での工夫

主にメンタルの調子が悪い時の生活面での悩みや工夫について、話題が上がりました。例えば、「ストレスが溜まった時に浪費してしまう」「ストレスから過食に走ってしまう」「寒い時にうつ状態になりやすい」などです。それらについて、具体的なアドバイス(お金を下ろす回数を決めておく、食べるものをカロリーの少ないものにする、活動量を抑えるようアドバイスを受けたことがる、など)が寄せられました。また、「何かを我慢しすぎると他のことでふんばりが効かなくなるから、無理はしすぎない」といった声もありました。

 
◇回復した後について

治療が進み良くなった後、どんなことに気をつけたらいいか知りたいというお話がありました。それについて上がったご意見のうち、多かったのが自分自身と向き合う内容でした。例えば、「良くなったり悪くなったりを繰り返したけれど、悪くなることは悲観しなくていいのではないか」「また悪くなったらどうしようという焦りを感じたら気分転換する」「悪くなることも含め受け入れる体制を前もって作っておく」「期待しなければ傷つかない」といったご意見です。

私は、お話を聞きながら、良くなるってどういうことなんだろう、と思いを馳せました。治療って何だろう、病気になる前の自分に戻ることが回復なのだろうか、今の自分は良くなっているのだろうか。と様々な思いが溢れてくるのを感じていました。

◇いただいた感想(抜粋)

・まだまだ精神障害のある人は権利を侵害されていると思った

・自分のモヤモヤが他の人の言葉によって具現化できた気がする

・つらい経験を話すのはつらかった、でも参加できてよかった

・自分自身のことを整理するきっかけになった

・共感できること、「そうだよな」が多くあった

今回はご自身のご経験のうち、つらかったことをお話しされる場面が多かったように思います。自分の経験を話すことはとても勇気がいることだと感じます。他の参加者を尊重しながらお話しくださったご様子、また聞いていた方々の温かい雰囲気に、参加できてよかったと、私自身も感じました。ご参加いただき、ありがとうございました。(ソウ)

今年度のお話会の取り組みは、公益財団法人ホース未来福祉財団の助成事業として実施しています。

↓シェアをお願いします↓