2023年度活動報告
■2023年度の活動総評
2023年度も当事者視点での「つながること」「つたえること」「かえていくこと」の三位一体を意識した活動を推進することができました。お話会の安定した運営のほかに、今年度はこれまでに比べて、学術集会での講演やシンポジウムの登壇等の機会をつうじた「つたえる」の取り組みが増えました。研究領域での取り組みでは、団体として外部の有識者のサポートを得ながら、障害者団体としては稀有な取り組みである研究倫理審査委員会の設置を行いました。 また、特にこれまで取り組んできた防災についての調査活動の知見から防災ワークショップの実施に関する映像資料の完成を果たすことができました。今後は、会員や各地のネットワークを築く団体等との連携を加速し、精神障害のある人の防災・減災を促進するとともに、地域での障害理解や多様性尊重の意識向上に寄与を目指して、取り組みをさらに加速してまいります。
(1)精神障害者に関する普及・参画事業
■当事者交流「お話会」
発足以来の精神障害のある人の居場所づくりとしてピアサポート活動の取り組みです。月例開催を基本とし、東京都障害者福祉会館(東京都・港区)にて、下記の通り12回実施をしました。プライバシー配慮の上、レポートをホームページにて公開しました。2023年度は公益財団法人ホース未来福祉財団の「2023年度ホース未来福祉財団障害者福祉助成金」助成事業として行いました。
・第74回…2023年4月24日
・第75回…5月28日
・第76回…6月18日
・第77回…7月8日
・第78回…8月27日
・第79回…9月25日
・第80回…10月12日
・第81回…11月18日
・第82回…12月23日
・第83回…2024年1月14日
・第84回…2月4日
・第85回…3月3日
■精神障害者に関する啓発イベント等
1.これからの防災を考えるー精神障害のある人の在宅避難時に必要なものとは?(キリン福祉財団助成事業)
2023年7月30日に東京都大田区入新井集会室にて「これからの防災を考えるー精神障害のある人の在宅避難時に必要なものとは?」と題したワークショップ企画を開催しました。20人近い方々にご参加をいただき、様々な視点から今後の啓発活動のポイントを抽出することができました。
2.防災ワークショップ~これからの防災を考える精神障害のある人の在宅避難時に必要なものとは?IN熊本
2023年10月5日に熊本市障害者福祉センター希望荘にて、「防災ワークショップ~これからの防災を考える精神障害のある人の在宅避難時に必要なものとは?IN熊本」(公益財団法人キリン福祉財団助成事業)を開催しました。30人超の関係者・参加者のみなさんと学びを共にした。助成支援をしてくださっているキリン福祉財団の担当の大島さんや漫画家の柏木ハル子さんらも駆けつけてくださいました。
3.当事者と一緒に防災力アップ!持続可能な精神障害のある人の包括的災害対策支援ツール開発事業成果報告会
2024年3月24日に東京都大田区の消費者生活センターにて、公益財団法人キリン福祉財団「キリン・福祉のちから開拓事業」助成のご支援をもとにとりくんできた「持続可能な精神障害のある人の包括的災害対策支援ツール開発事業」の活動成果報告会をハイブリッド形式にて開催しました。計60名近い参加がありました。
■行政会議への参加
○大田区精神保健福祉地域支援推進会議
〇内閣府 第2回規制改革推進会議 健康・医療・介護ワーキング・グループ 等
■各種講演等
1.大学機関での授業等の登壇
東京大学、法政大学、東京工科大学、東京家政大学、白鴎大学、信州大学等でゲスト講師として話題提供の機会をいただきました。のべ1000人の学生のみなさんにお話を聞いてもらうことができました。
2023年度は、東京工科大学や信州大学ではカリキュラムの作成段階から参画を策定に関与する機会をいただき、グループ面談のトレーニングに複数人のメンバーが複数回参加をする試みがスタートしました。
2.学術集会・学会シンポジウム等への登壇
〇第48回日本精神科看護学術集会
時期:2023年6月2日~4日
会場:札幌コンベンションセンター(北海道・札幌市)
今求められる精神科看護と題した大会シンポジウムに代表理事の山田が登壇しました。日本精神科看護協会の倫理綱領の改訂に関わったご縁から、今後の精神科看護への期待について述べました。
○第 119 回日本精神神経学会学術総会
時期:2023年6 月 22 日(木)~24 日(土)
会場:パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)
第 119 回日本精神神経学会学術総会に代表理事の山田が「国連障害者権利擁護委員会(CRPD)の対日審査をめぐって-これからのわが国の精神医療のあり方を考える」などのセッションに登壇の機会をいただきました。大会の関係者によると9,000 名を超える参加者を得て、うち現地会場へは約 6,000 名の来場があったとのことです。
総会最終日には、学会員を対象にした生涯教育研修会という企画が開催され、NTT東関東病院の秋山剛ドクターと登壇し、好評の声を多数いただきました。
○第20回日本うつ病学会総会/第39回日本ストレス学会
時期:2023年7月21日~22日
会場:宮城県仙台国際センター(宮崎県仙台市)
理事会から2名と事務局1名の計3名が参加しました。当会からはポスター報告を2件と指定演題の発表を1件行いました。うちポスター発表については、「災害関連調査を通じた当事者主導型研究のプロセスの検討:DIARYプロジェクトの実践報告」と題して、この間に国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 地域精神保健・法制度研究部の皆さんらと取り組む当事者主導型研究についての進捗について発表を行いました。
○日本こころの安全とケア学会第6回学術集会
時期:2023年12月16日~17日
会場:オンライン開催
「精神科ケアと虐待防止」のシンポジウムに当会代表理事の山田悠平と理事の相良真央が登壇しました。2024年度精神保健福祉法改正に向けた議論を行うことができました。
○日本精神障害者リハビリテーション学会 第30回岡山大会
時期:12月2日~3日
会場:倉敷市芸文館(岡山県倉敷市)
大会シンポジウム「暮らしのためのリハビリテーションを問い直す~リカバリーとリハビリテーション」に当会代表理事の山田が登壇したほかに、団体紹介のポスター発表の機会をいただきました。
○第66回 日本病院・地域精神医学会総会 神奈川大会
時期:12月16日~17日
会場:神奈川県立保健福祉大学(神奈川県横須賀市)
市民公開講座に当会代表理事の山田が登壇しました。当事者経験からこれから期待する精神科医療のありかたがそれぞれから語られました。
○第42回日本社会精神医学会シンポジウム
時期:2024年3月14日~15日
会場:東北医科薬科大学小松島キャンパス(宮城県仙台市)
第42回日本社会精神医学会のシンポジウム「誰一人取り残さない防災・減災に向けて〜精神障害当事者の経験知・支援者の専門知による共同創造のこれから〜」に代表理事の山田と理事の相良が登壇しました。
3.その他講演
○LIVESTOKYO 2023
時期:9月23日
会場:東京ミッドタウン
認定NPO法人ハンズオン東京主催のイベント「LIVESTOKYO 2023」が盛況の中、開催されました。イベントテーマにある”ちがうってさいこー”が立体的に憧れた素敵なイベントでした。当会からは理事の相良真央がパネルディスカッションに代表理事の山田悠平がトークライブに登壇しました。
○統合失調症の方の社会参加推進における課題、取り組みについて 医療従事者、当事者、企業それぞれの立場から
時期:10 月 10 日
会場:オンライン
世界メンタルヘルスデーに際して、ヤンセンファーマ株式会社が主催する「統合失調症の方の社会参加推進における課題、取り組みについて 医療従事者、当事者、企業それぞれの立場から」と題したメディアセミナーに理事の堀合研二郎が登壇いたしました。統合失調症治療における地域移行の推進を図るための機運醸成を目的に開催されたもので、期待される精神科病院ありきではない地域生活の在り様を当事者の立場からお届けいたしました。
○曹洞宗 東京都宗務所現職研修会
時期:11月23日
会場:駒澤大学(東京都世田谷区)
今年、2023年は東日本大震災から13回忌ということで、人権学習の研修テキストの制作のご縁から、曹洞宗東京都宗務所主催の現職研修で登壇の機会をいただきました。人権と防災について、関連の活動の経験と立場からお伝えしました。
〇価値に基づく支援者育成(TICPOC)
時期:1月21日
会場:東京大学(東京都文京区)
価値に基づく支援者育成(TICPOC)の連続講座にて、共同創造をテーマにした講義のコマを代表理事の山田が国立精神神経医療研究センターの山口創生さんと一緒に取り組みました。
〇茨城県土浦市職員研修
時期:3月22日
会場:土浦市市役所(茨城県土浦市)
2024年4月1日に障害者差別解消法改正法が施行にともない、民間事業者に障害の合理的配慮の提供が努力義務から法的義務にアップデートされます。法改正をきっかけに、民間事業者や行政などで研修の実施が増えています。当日の研修の様子は、ポルケ写真展企画でご協力をいただいた「NEWSつくば」の柴田大輔さんに取材をいただきました。
ほかにも多くの市民団体や関係企業等での研修を実施いたしました。ご縁をいただいた関係者との関係をさらに強固のものとしてまいります。
■寄稿
1.日本精神保健福祉士会機関紙「精神保健福祉」(133号)
特集タイトル「問われる医療保護入院と精神保健福祉士」に代表理事の山田悠平が寄稿しました。
2.精神医療9号 特集「精神保健福祉法改正2022」
代表理事の山田悠平が「当事者の立場からみた法改正~」と題して寄稿しました。
3.月刊精神科看護 2023年7月号「当事者、学生、教員の三者でシラバスからつくる精神看護学」
信州大学の精神看護教室での授業展開について、関わるそれぞれの立場からの思いを重ねました。病院から地域へという転換の促進に際して、支援を支える現場の人的資源の確保は急務です。病棟や訪問看護に携わるみなさんのお話に耳を傾けてみると、看護という役割の“そもそもの変化”が求められています。教育や臨床とは違う立ち位置で問いつづけ、ともに考えていきたいと思います。
4.精神医療10号 座談会企画
7月20日『精神医療10号』の座談会企画<障害者権利条約―日本で実現したら具体的にどうなるのか…>に当会代表理事の山田悠平が登壇しました。
5.『医学のあゆみ』286巻6号~特集 統合失調症の未来 ─研究と治療
8月5日刊行『医学のあゆみ』286巻6号、当事者の声─臨床医と研究者に伝えたいことと題して寄稿の機会をいただきました。
6.「新ノーマライゼーション」2023年9月号 寄稿
(公財)日本障害者リハビリテーション協会が発行する「新ノーマライゼーション」2023年9月号に当会理事の堀合研二郎が「一人ひとりが認められる社会へ」と題して寄稿いたしました。
■ネットワークを築く、広げる
1.「精神障害当事者会ポルケ倫理審査委員会」発足(6月11日)
調査研究の自主事業や大学機関や研究機関等からの調査研究の協力要請をいただく機会が近年増えてきました。一方で、研究については、実施元の機関等での倫理審査委員会からの承認を経て行われるものが一般的ですが、当事者団体としての協力要否の判断などで悩むこともありました。そのよう経過もあり、私たち活動を応援いただく外部の有識者の参画のもと当事者参加の妥当性や留意事項などの第三者機関のチェック機能を備えるべく、「一般社団法人精神障害当事者会ポルケ倫理審査委員会」を発足する運びとなりました。
2.「メディア・ガイドライン策定普及プロジェクト」発足(11月7日)
2022年度から実施している刑事事件におけるメディア報道のあり方を示すガイドラインの策定を目指すプロジェクトが正式に発足いたしました。昨年度までは、事件報道を受けての意識調査、ニュージーランドをはじめ国外の取り組みについての机上調査や厚生労働省記者会での会見などを実施してまいりました。今年度は、精神保健に関係する団体や研究者の方などに参画をいただき、メディアの方へのヒアリングなどをしながら、あり方検討をしてまいりました。2023年11月7日に任意団体「メディア・ガイドライン策定普及プロジェクト」が発足いたしました。この動きは、アンチスティグマのアクションとして取り組むもので、来年以降動きを加速してまいります。
(2)精神障害者の権利擁護に関する事業
■大田区精神障害者相談支援員(新規・委託)
団体推薦のもと、大田区内在住の役員の山田・加藤が従事しました。
(3)精神障害者に関する施策の調査研究事業
■当事者主導型研究事業(委託)(継続)
国立精神神経医療研究センターより被災経験のある精神障害のある人らのインタビュー調査等の委託を受けて取り組みました。
■専門職養成課程における共同創造に関する取り組み
1.精神科医療体制確保研修(厚生労働省補助事業)
2023年1月28日(岡山市)、2月19日(佐賀市/オンライン)にて実施をされた精神科医療体制確保研修(厚生労働省補助事業)に登壇し、当事者活動の経験から話題提供を行いました。
2.東京工科大学および信州大学「当事者参加による専門職養成の取り組み」(通年)
当事者参加を通じてより良い教育プログラムを提供するため、シラバスの作成から協力させていただき、2年間にわたって授業での当事者参加をデザインしたカリキュラムを東京工科大学の作業療法学科の清家先生や信州大学の下里先生、木下先生らと一緒に取り組みました。
■調査研究等への協力
1.厚労科研費 入院からの退院後の地域サービスの連携に関する研究
当会の理事や事務局メンバー等の3人が協力をしました。
■調査研究の実施(自主事業)
○「ふだんからの防災」についてのアンケート調査 時期:2023年12月11日~2024年2月10日
これまでの被災経験の質的調査等を通して課題が確認されたポイントを中心に、精神障害当事者が抱える災害時避難のあり方や平時からの備えに関して重点的に質問を設けました。なお、本調査は一般社団法人精神障害当事者会ポルケが設置した外部有識者を含むメンバー構成で設置をした「一般社団法人精神障害当事者会ポルケ倫理審査委員会」の倫理審査を経て実施しました。(承認番号:P2023-01)
(4)精神障害者に関する施策の政策提言事業
■国連人権メカニズムによる政策提言
1.2023年度精神保健医療施策等について東京都への提言
2023年8月に東京都に提言書を提出しました。行政や複数の都議会会派と懇談をしました。
■要望活動
1.孝山会滝山病院事件における効果的な指導監督の検討に関する要望書を提出
NHK・ETV特集「死亡退院~精神医療・闇の実態~」(2023年2月25日)によって、滝山病院(東京都八王子市)において、看護師らから入院患者に対して凄惨な虐待が行われていることが判明しました。この間、報道機関からの取材協力や各種情報提供を行ってまいりました。東京都精神障害者家族会連合会(東京つくし会)などの都内の関係団体、行政、議員らと意見交換をしてまいりました。2023年4月には加盟団体の全国「精神病」者集団と共同で東京都に要望書を提出しました。
(5)精神障害者に関する広報・啓発事業
■オンラインでの発信(継続)
ホームページ、メルマガ配信、SNS等を通じて、活動内容や各種イベントなどの情報提供を行い、関心喚起、積極的な関与の土壌醸成に努めました。
■ポルケニュース発行(継続)
紙媒体での発行を4回行いました。ネットワーク会員、関係機関などへ配布。
■マスメディア応対(継続)
1.新聞社
○東京新聞(5月29日)
「運営の主体は精神科病院の退院者たち…八王子の福祉作業所 社会に訴える当事者ならではの声と「原点」」
○東京新聞(7月7日)
「身体拘束「なぜ心が痛むの?」「地域で見守る?あんた、できんの?」精神科病院協会・山崎学会長に直撃したら…」
○東京新聞 8月6日
「災害時の「在宅避難」、精神障害ある人はどうすれば… 都内でワークショップ 誰も取り残さない備えとは」
「これからの防災を考えるー精神障害のある人の在宅避難時に必要なものとは?」の当日の模様が東京新聞朝刊に掲載されました。
2.小学館『健康で文化的な最低限度の生活』新シリーズ取材協力
小学館発刊の『健康で文化的な最低限度の生活』の新シリーズが2023年5月29日より新章が週刊スピリッツにてスタートしました。2018年にフジテレビ系列でドラマ化されたことで、目にしたことがある人も多いのではないのでしょうか。精神障害当事者ポルケでは、2022年の9月頃より継続的に取材協力をさせていただいています。
3.テレビ局
○NHKハートネットTVフクチッチ番組出演 (特集:統合失調症)
副代表理事の佐藤朋美が8月7日放映の番組に出演しました。特集として組まれたテーマは統合失調症。当事者座談会の模様がホームページで公開されました。それぞれの立場からの経験談が寄せられています。
○11.26 NHK総合 明日をまもるナビ 取材協力&出演
2023年11月26日放映(初回)のNHK総合「明日をまもるナビに出演しました。先日開催の熊本市で開催した「これからの防災を考えるー精神障害のある人の在宅避難時に必要なものとは?(キリン福祉財団助成事業)防災ワークショップ」の取り組みなど当事者の声をもとに番組が構成されました。この間の防災に関するプロジェクトの知見をもとに、取材協力をさせていただきました。九州大学の田中真理先生、古坂大魔王さん、小倉優子さん、塚原愛アナウンサーとご一緒させていただきました。
○NHK・みんなの選挙 精神障害者めぐる「社会の雰囲気」を変えたい
これまで障害があって投票に行けなかった人や行きづらかった人、障害のある人をサポートする人たちに役立つ選挙の情報を紹介しているNHKのサイト「みんなの選挙」にて、当会理事の堀合研二郎のインタビューが掲載されました。堀合は2023年の統一地方選挙において、自身に統合失調症の障害があることを公表して神奈川県大和市議会議員選挙に挑み、初当選しました。現在はポルケの理事としての活動のほかに、市議会議員として精神障害のある人が立候補しやすい環境づくり、また精神障害のある人が投票しやすい社会づくりを目指して様々な取り組みをしています。
4.その他
○NIPPON COCORO ACTION「こころサポーター」養成研修の協力
国は、「こころサポーター」を養成するための事業として、NIPPON COCORO ACTION という取り組みをおこなっています。
この取り組みの一環として、精神障害者へのインタビューが行われました。精神障害当事者会ポルケの副代表理事の佐藤朋美が出演をしました。
(6)精神障害者のネットワークづくりに関わる事業
■グローバル領域の活動
○8.28精神障害のある若者たちのための環境づくりとは (登壇&アーカイブ配信)
国連障害者権利条約19条の実施を目的にした国際的な精神障害のある人にらによって組織されるTransforming Communities for Inclusion (TCI)が主催するオンラインウェビナーセミナーが8月28日に開催されました。テーマは「精神障害のある若者たちのための環境づくりとは」。
○日韓精神障害者交流事業
2022年度に続き、第二回目となる日韓精神障害者交流事業を行いました。2024年1月8日〜12日の5日間、訪問団のメンバーのみなさんと共に、韓国へと訪問しました。この事業は公益財団法人日韓文化交流基金の助成事業の一環として取り組みました。
○ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣事業採択決定
公益財団法人ダスキン愛の輪基金の障害者リーダー育成海外研修派遣事業助成を受け、理事等で構成するチームで2024年6月から7月にイタリアを訪問し、フィールドワークを行います。脱施設化を世界の中でも先駆的に実施したイタリアでの地域支援の実際や障害者権利条約実施についての当事者団体の取り組みについて学ばせていただこうと思います。2024年2月16日・17日には事前研修会に参加しました。長瀬委員からは障害者権利条約の歴史や日本の状況、平下委員からはCILの活動を基に障害者リーダーとしての理念についてレクチャーいただきました。3月には大阪のダスキン本社で壮行会が行われ、ダスキン愛の輪基金やダスキン関係者の皆様から温かいエールをいただきました。
■加盟団体
・全国「精神病」者集団
・DPI日本会議
・大田障害者連絡会
・大田区民活動団体連絡会
・大田区障害者理解啓発グループおおた~ツタエルチカラ~
・リカバリーカレッジおおた
・リカバリーカレッジ文化祭実行委員会
・コミュニティ・ワーク連絡会
・ショートタイムワークアライアンス 等
(7)その他、当法人の目的を達成するために必要な事業
■関係団体との連携/協力事業
各関係団体への協力
○発達障害当事者団体特定非営利活動法人凸凹ライフデザイン(熊本市)
・編集協力『発達障害の複雑性ー当事者が語るマイノリティ性の重複と交差ー』に企画協力をしました。
○曹洞宗人権推進本部
東日本大震災から13回忌を迎えるにあたり、人権と災害をテーマにした学びを深めていくための学習コンテンツ制作のプロジェクトにご協力させていただきました。これまでの「精神障害×災害」のポルケが実施した調査活動等の知見を基にしたテキスト作成に協力しました。
○「災害への備え」コラボレーション事業(内閣府)
関東大震災から100年の節目を迎える2023年。セクターを越えた災害の備えについてのコラボレーション事業が展開されています。当会も趣旨に共鳴し、プロジェクトの加盟団体となっています。様々な形での防災、減災の取り組みに協働していきます。
○特定非営利活動法人日本医療政策機構
医療政策の形成過程における患者・市民参画(PPI: Patient and Public Involvement)の手引き―患者・市民と行政それぞれに求められる取り組みとその好事例と手引きに関する資料の作成にインタビュー、執筆等の協力をいたしました。
■後援事業等
○名義後援:おおたユニバーサル駅伝大会
時期:6月4日
主催:特定非営利活動法人ジャパンユニバーサル・ネットワーク
〇名義後援:「国連勧告を踏まえた法附則第3条の検討に向けて(第2弾)」
時期:6月29日
主催:全国「精神病」者集団
■助成事業の受託
1.公益財団法人キリン福祉財団 令和5年度「キリン・福祉のちから開拓事業」
「持続可能な精神障害のある人の包括的災害対策支援ツール開発」プロジェクトのへの助成をいただきました。
2.公益財団法人ホース未来福祉財団
当事者交流「お話会」のプロジェクトについて助成をいただきました。2023年7月20日に開催された公益財団法人ホース未来福祉財団(東京都大田区)の助成団体への贈呈式に当会理事の堀合研二郎が参加をしました。
3.公益財団法人日韓文化交流基金
第二回目となる日韓精神障害者交流事業を行いました。2024年1月8日〜12日の5日間、訪問団のメンバーのみなさんと共に、韓国へと訪問しました。
■受賞
1.BEYOND MILLENNIALS 2023受賞(Business Insider Japan)
社会課題解決に取り組むミレニアル・Z世代を表彰するという趣旨の取り組みです。これまでの活動を高く評価をいただきました。特別回として企画をされた収録インタビューが公開されたのでご報告しました。活動にパートナーシップをいただいている東京大学の井筒節さんにもお声掛けさせていただきました。