【活動報告】第93回お話会レポート（調子が悪いと日常生活のことが難しくなり自責の念にかられる、人間関係が難しくなってしまったときなど）

急に風が冷たくなりました。気候の変化が心身にこたえている方も多いかもしれません。2024年11月23日に、第93回お話会が東京都障害者福祉会館で行われました。お話会のアイスブレイクでも「私の寒暖差対策」を取り上げ、衣類を一枚多く持って出かけるなど、それぞれの工夫が共有されました。今回は、初めて参加される方4名を含む15名のご参加がありました。

◇調子が悪いと日常生活のことが難しくなり自責の念にかられる

「睡眠がうまくとれないと時間通りに行動できず、それによりさらに苦しくなって調子が悪い日が続いてしまう。主治医に伝えても『大変ですね』と言ってくれるが具体的なアドバイスがない。掃除、洗濯、お風呂…、できる人はどうやっているのか知りたい」という話題が出されました。最近では特に急な冷え込みもあり、生活リズムがうまく整わないことに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

これに対して、初参加の方がまず自身の経験をシェアしてくれました。「調子が悪くて2週間お風呂に入れない時もありました。今は一度に全部しようとせず、洗顔、歯磨き、お風呂の準備、洗髪、など細かくわけて、気が向いたときにできるものだけします。そして、全部できなくても自分を否定しないようにしています。つい自分を責めがちになりますが、できたことを褒めます」。この発言を皆うなずきながら聞きました。また、「思い出すと、入院中の入浴は週に3回でした。それなら今も無理して毎日入らなくてもいいや、と考えたりします。あえて目標を決めないようにします」という意見を出してくださった方もいました。そういった考え方も自分を楽にする方法だと納得できました。

「好きな音楽を流しておいて、意識は音楽に向けたまま、流れでお風呂や歯磨きを終わらせてしまう」という方もいました。またその方は、「主治医から『夜は脳が疲れているから、マイナス思考になりがち。夜に考えることは意味がないと思って、横に置いておくと良い』と言われ、朝起きてから考えようと思うようになりました」と、自分を責めたりネガティブな考えのループに陥ったりしがちな時間帯の工夫についても共有してくださいました。話題を出された方も「たしかに、私は夜と朝に自分を責めることが多いと思います」と、自身を振り返っていました。

毎日の生活をこんなふうに送りたい、という前向きな気持ちは大事でもありますが、それが強くなると、できない自分を責めることになりがちです。あまり「こうあるべき」と思い過ぎず、自分が日々楽に過ごせることを大切にしていきたいと、皆の経験を聞いて少し肩の力が抜けました。

◇人間関係が難しくなってしまったとき

「最近、親友だった人と疎遠になってしまい苦しんでいます。自分の悩みを訴えすぎて、その人への感謝をうまく伝えられていなかったと後悔しています。分かっていながらできなかった。今の気持ちから楽になりたい」という切実な声があがりました。

この言葉を、それぞれが自分の経験を思い出したりしながら受け止めていました。「うまく伝えられなかったとしても、その人への感謝の気持ちがあったということだと思います」、「相手の事情もあるのだから、自分だけの問題だと考えなくて良い」、「今は落ち込むと思いますが、時間が解決してくれます」。

人間関係が困難になってしまった時、それが大事な相手であればあるほど苦しい…。似たような経験は多くの人が持っていると思います。そして、精神障害のある私たちの中には、自分の調子が悪かったり悩みが深かったりするとき、大事な相手に対しても、相談ごとが多くなってしまったり、余裕をもって接することができなくなったりし、相手と離れてしまったという経験を持つ人もいます。その時はどうしようもなかったのだけれど、大事な相手だったのにと苦しみます。

ですが、話題を出してくれた方は、合わせて「これからの自分につなげたい」という気持ちも話してくれました。他の方からも「人は一人一人違うから、今後につなげるとき、今回のことを考えすぎなくて良いと思います」とエールも送られました。