【情報提供】コ・プロダクション実践ガイド~当事者とともに創る研究とは~
東京大学出版会より刊行の『コ・プロダクション実践ガイド――当事者とともに創る研究とは』に、当会代表理事の山田悠平が「当事者参画において大切なこと——当事者主導型研究を実施して」と題して寄稿しました。当事者参画が「形だけの参加」にとどまらず、研究の問いの立て方、進め方、成果の扱い方までを含めて“共同の営み”になっていくために、何を大切にすべきか――当事者主導型研究の実践経験を踏まえてみました。
本書は、当事者とともに研究活動を行う「研究のコ・プロダクション(共同創造)」について、日本で先駆的な取り組みを行っている多様な分野の実践を紹介し、経験に基づく“実践ガイド”としてまとめた一冊です。理論的な整理にも触れつつ、研究現場で役立つヒントが詰まった内容となっています。研究領域の参画に関心のある当事者にとっても参考になるかと思います。どうぞご注目ください。
■書誌情報
書名:コ・プロダクション実践ガイド(当事者とともに創る研究とは)
編者:笠井清登 編/熊谷晋一郎 編
発売日:2025/12/25(予約受付中)
判型・ページ数:A5・336ページ
定価:5,060円(本体4,600円+税)
ISBN:978-4-13-050214-6
詳細およびご購入はこちらをご参照ください。
目次
はじめに——困りごとから出発する研究のコ・プロダクション(笠井)/ウォーミングアップ コ・プロダクションの事始め(熊谷・田中伸明・尾上浩二・崔栄繁・白石誠一郎・佐藤聡)
Ⅰ 人文科学系と組む実践報告
1 ユーザー・リサーチャー制度導入の試みと課題(綾屋紗月・菊野弘次郎・喜多ことこ・廣川麻子・牧野麻奈絵・唯なおみ・熊谷)/2 イノベーション概念の変遷における共創と文理融合の位置づけ(隠岐さや香)/3 思春期研究における若者/当事者と研究者のコ・プロダクション(山﨑修道・西田淳志)/コラム1 ジェンダード・イノベーションとコ・プロダクション(小川眞里子)
Ⅱ 自然科学系と組む実践報告
4 精神疾患の生物医学研究における当事者化への挑戦(栁下 祥)/5 当事者視点からの福祉機器開発(硯川 潤)/6 利用者のための生活支援工学の技術開発(二瓶美里)/コラム2 研究者人生の当事者研究(宇野晃人)
Ⅲ 医学・医療系と組む実践報告
7 日本統合失調症学会における試み(金原明子)/8 難病家族会との交流と研究に携わった経験から(高橋優輔)/9 がん医療におけるコミュニケーション(藤森麻衣子)10 自閉スペクトラム症概念の学術的変革(熊谷)/コラム3 精神医療のボトムアップ再構築にむけて——日本精神神経学会パラダイムシフト調査班報告(北中淳子)
Ⅳ コ・プロダクションのための実践ガイド
11 ユーザー・リサーチャーの研究紹介(喜多・廣川・牧野・唯・綾屋)/12 当事者参画において大切なこと——当事者主導型研究を実施して(山田悠平)/13 共同のための実践ガイド(佐々木理恵・川口敬之・山口創生)/コラム4 コ・プロダクション的研究会議のやり方(田中沙織)
Ⅴ 研究のコ・プロダクションの理論化
14 当事者化とは何か(笠井・村井俊哉)/15 研究者の当事者化はいかにして可能か——複雑系科学の観点から(外谷弦太)/16 わかりやすさとはどういうことか(栁下)/コラム5 「私たちの精神疾患」を編んで——コ・プロダクションに向けたメッセージ(鈴木みずめ)/17 医学学会と診療ガイドラインにおけるコ・プロダクション(福田正人)/18 先例としての福祉工学理論の展開(繁成 剛)/コラム6 コ・プロダクションについての国や民間団体の取り組み(勝井恵子・西村由希子・江本駿)
座談会 当事者コミュニティと研究者コミュニティの共同による学術変革と社会変革(熊谷・田中伸・尾上・崔・白井・佐藤・笠井・田中沙・西田・栁下・綾屋)


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