【活動報告】第108回お話会レポート(無気力と焦り、減薬の経験など)

2月27日、東京都障害者福祉会館にて第108回お話会を開催しました。今月は平日夜の開催となりました。寒さの緩む日も多くなってきましたが、やはり夜はまだ冷え込みます。桜の開花が待ち遠しいですね。
今回は、初参加の人4名を含む、13名の参加がありました。皆で話したトピックスの中からご紹介します。

 

◇無気力と焦り

一人の参加者から、無気力のつらさが話されました。「無気力な状態が数年続いています。色々な情報を見ていると、『半分の人は元の状態に戻るが、戻らない人もいる』など言われているようで、もし自分は戻らなかったらどうしようと不安です。
主治医から『楽しいことをするように』とアドバイスがあったので、今日は寝ていたいなと思う時もあるのですが、できる限り動くようにしています。でも、できていたことが今はできないというのがつらくて、本来ならこうじゃないはずなのに…。同じような経験のある方がいたら、教えてほしいです」。

皆がそれぞれに、「そうだよね」とうなずきながら聞いていました。元々の生活やコミュニティからどんどん離れていってしまう感覚はつらく、焦りも生じます。でもどうしても心身が動かないという苦しさを、私たちの多くが経験しています。焦る感覚について共感の声がたくさんあがりました。

「私も無気力が続いたことが初めの受診のきっかけでした。焦るのはとてもよくわかります。過ぎた時間は戻ってこない、何でもいいから経験しておかないとみんなから引き離されてしまうと感じてしまいます。また、動いておかないと脳が反応しなくなるのではないかという不安もあります」。
「私も自分の経験を思い出します。眠れないので睡眠薬を飲むと、今度は起きられなくなるということもありました。毎日、『今日も何もできなかった』と自分を責めました。焦りは本当につらいと思います」。
「皆は大学に行き、就職して家庭を持つ人もいるのに、自分は止まったまま。せめて働かないといけないんじゃないかとバイトをしては体調を崩して辞めることを繰り返しました。今から考えると、思い切ってしっかり休んだ方が長引かずに済んだのではと感じています」。

皆の話を聞いて、まさに今悩んでいたと話をしてくれた人もいました。
「実は今日ちょうど、行きたいところがあって仕事の休みまでとっていたんです。それなのに、無気力な感覚が強くてずっと寝てしまっていました。つらかったのですが、でも、そういう時は無理せず寝てていいのかなと思いました」。

それから、気力がないときの過ごし方についても経験が話されました。
「無気力といっても、完全にゼロの日ばかりでもないかもしれないと思います。0.1の日にやれることをやる。でも、できないことはあきらめて、『今はできないんだな』と思う。その繰り返しだったなと振り返りました」
このお話に、「ゼロではない日に、これはできたなというのは例えばどんなことだったのですか?」と質問が上がりました。「そうですね。昼頃になってやっと起きられるという状態が続いていたころに、朝起きた時でしょうか。『今日は朝起きられた!』と思いました。その後また寝てしまったんですけど、『ちょっと違うな、良い感じだな』という感覚がありました」。
「私は症状が重いときはとにかく眠さやだるさが強かったです。でも、ちょっと外に出るようなきっかけがあるとき、体調に応じて頑張って一歩出てみるのも良かったなと思います。メリハリがあると良いかも」、「動けない時は『今省エネモードなんだな』と自分を責めないようにしています。今は、生活リズムだけある程度整えていればいいかなと思っています」。

病気を抱えて間もないころは特に、過去の自分や同年代の人たちとどうしても比べてしまいがちです。どこか焦りから、その時の心身の限界を越えて無理をしてしまい、悪循環となってしまうことも起こりがちです。ですが、時には身体の声に耳を傾けてしっかり休むことも大切です。
そして、ちょっと動けた時にはきっと、自分にとって大事な新たなきっかけがつかめるはずです。

 

◇減薬の経験

減薬を検討しているという人から、仲間の経験を聞いてみたいという話が出されました。「薬が悪いものとは思っていないのです。ただ、今は何種類も飲んでいるので、必要ないものもあるのではないかと…。最終的なところは主治医と相談して、必要ないものは減らしたいと思います。これまでに薬を減らした人がいれば、どのぐらいの期間がかかったのかなど経験談を聞いてみたいです」。

減薬の経験がある人は、今回集まったメンバーの半数以上いました。その中で、減薬のために入院をしたという人がまず話してくれました。「今かかっている病院に転院した時、その前の病院の主治医が薬をたくさん出していたので、『リセットしましょう』と言われました。何かあった時に対応できることと、検査も頻繁に必要ということで3か月ほど入院して減らしました」。
「減薬はきつくなかったですか?」との質問に、「確かに薬を抜くのはきつかったですが、それまでの副作用がひどかったので。入院して2か月ぐらいで安定してきて、やってよかったと思っています」。

同じように主治医が変わってから減らしてきたという人も話をしてくれました。「私が副作用のつらさを伝えたところ、主治医の方から『薬をやめてみましょう、大丈夫ですよね?』と提案され、主治医への信頼もあったので減らしていきました。その後も悪化したりはしていません。これからは、カウンセリングも並行して治療を進めていくことになっています」。

反対に、減らしてうまくいかなかったという経験も共有されました。
「私自身はその時特に希望はなかったのですが、主治医から提案されて薬の量を減らしたことがあります。ただ、減らした後あまり体調が良くない気がして、相談したかったのですが、病院へ来る日が限られている主治医だったので、タイミングが合わずすれ違ってしまいました。結局別の医師に相談して元に戻してもらいました」。
「たくさん飲んでいた薬を一気に減らされてしまい、かなり体調が悪くなった経験があります。減らし方は大事だなと思うようになりました。安心できる主治医と話しながら減らせるのが良いのではないでしょうか」。

主治医と話せることの安心感について、ある人は「前の主治医と話せなかったのですが、今の主治医とは話せていると感じています。ある薬を試したときに体重増加が気になったので相談したら、違う薬への変更を提案してもらい、今は安定しています」と言われました。別の人からは「主治医と一緒に服薬のことも決めているという感覚です。私も何かわからないことや心配なことがあればすぐに言うようにしています。疑問は投げるのが大事だと思っています」という話もありました。

主治医が薬を減らすことにも前向きで、話をよく聞いてくれると感じられれば、私たちも安心して相談ができます。服薬は長期間になることも多いですが、「何となく飲んでいる」とならず、体調などその時々のタイミングで減薬も積極的な選択肢に入れられると良いのではないかと思います。

皆の経験を聞いて、話題をあげた人から前向きな思いが話されました。「今の主治医とは、安心して薬のことも話し合えると思えます。そして、今はちょうど生活や体調も安定しているときなので、タイミングとしても良いのではないかと思いました。しっかり話しながらチャレンジしてみます」。

 

◇おわりに

お話会の最後に、皆で感想を共有しました。
「初めて参加しましたが、色々な人がここに集っているんだなと思いました。また参加して、皆の話を聞きたいです」
「自分が知らなかったことも聞けて、ヒントが得られました」
「頭の中がバージョンアップされた感じがします」
仲間がいると感じられるからこそできることが、思っているよりもたくさんあるのではないかと思います。これからも仲間との安心な時間をつくっていきましょう。
この取り組みは、公益推進協会釋海心基金の助成により実施しています。(相良)

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