【活動報告】第73回お話会/当事者会へのアクセスなど
2023年3月21日に、第73回お話会が東京都障害者福祉会館で行われました。今回は初めて参加される方5名を含む計14名が参加してくださいました。今回話題に出されたテーマの一部を以下にご紹介いたします。
◇当事者会へのアクセス
自分と同じ障害の人に会うことが少ないため孤独を感じている、というお話がありました。近い境遇の人と交流をするための当事者会が意外と少ない、当事者会についての情報がなかなか拾えない、情報に辿り着いても数年前から更新していないので今も存在しているのか不安だ。そして、なかなか勇気が出なかったり、体調がすぐれなかったりして、当事者会に行くまでにとても時間がかかったというお話も出ました。また、当事者会に行ってきたよと周りに言いづらい、というエピソードに共感される方が多かったように感じます。
個人的にとても考えさせられるテーマだったように思います。当事者会を運営することは、時に精神的な負担になることがあります。それは精神疾患を抱えている私たちにとって特につらいことです。それでも会を続けてゆくのは、「ひとりじゃない」というメッセージを伝えたいからだと、私は思います。
TwitterなどのSNSで同じ境遇の方とつながったというお話や、家族や友達に紹介されて会のことを知ったというお話もありました。いろいろな媒体でつながることが可能である、そのことが当事者会アクセス向上の鍵になるのかもしれません。
◇SNS依存
家の中でついSNSを見たらずっと見てしまう、という話題が上がりました。読んでいて気分が落ち込むようなものも多いけれど、心に響くようなものもある。それが「沼」となって抜け出せなくなる、という声がありました。また、「いいね」などのリアクションが気になって見てしまう、発信することに依存してしまうというお話もありました。
それらについて、「反応があったらうれしいな」程度にとどめている、投稿は1日に3件までと決めている、基本的に家ではSNSを開かないようにしている、中には語学の勉強を始めたらスマートフォンをずっとそのアプリで使うのでSNSを見る頻度が減った、というようなライフハックがいろいろな方から寄せられました。
◇落ち込み(家族との関係、季節)
家族に怒られると落ち込んでしまう、という気持ちを打ち明けて下さった方もいました。強い口調で言われると、入院した方がいいのか悩んでしまうつらさをお話しくださいました。それについて、「片っ端から友達に連絡して泣きつく」「相手に完璧を求めるのは無理だと悟ったら一歩引いて考えられるようになった」という意見が上がりました。また、あえて家族と距離を置くことで気分が楽になったという方もいました。
◇いただいた感想
・SNSの沼、自分だけじゃなかったと分かって安心した
・普段考えたことのないような考えが聞けてよかった
・2時間があっという間だった
・具体的なライフハックを聞けたのがよかった
・当事者同士、抱えている悩みがあるんだなと感じた
・どんな立場でも尊重しようとする雰囲気があった
◇おわりに
いただいた感想の中に、「休憩時間の時にみなさん近くの人と話していた光景を見て、つながっていると感じた」というものがあり、個人的にとても心に残りました。
つながりって何だろうと思うことがよくあります。もしかしたら、こういう他愛のない話ができるのも、緩やかで暖かいつながりなのではないか、と思いました。
ご参加いただき、ありがとうございました。
2022年度の本事業は、公益財団法人公益推進協会の「思いやり支え合い」基金による助成事業として取り組んでいます。(ソウ)