【活動報告】第80回お話会レポート(体調の変化、SNSでの自己開示、お話会がきっかけで、など)
いつの間にか朝晩冷えるこの頃となりました。そんな秋の折、2023年10月12日、東京都障害者福祉会館において、第80回お話会が開催されました。今回は、初めて参加される方3名を含む10名の方にご参加いただきました。今回挙げられたテーマを一部紹介します。
◇体調の変化
夜は眠れず日中は眠気と闘っている、3時間程度しか連続して寝ることができない、そういう状況だから1日を振り返り何かをしたという充実感がない、睡眠薬が合わず副作用が辛い、睡眠薬への耐性がついているのではないか、など、睡眠に関するさまざまなお話がありました。また、それらへの対策についてのコメントも寄せられました。睡眠薬の種類を変える、入院を機に自分の適正睡眠時間が知れた、不安を減らすようにする、ひとりじゃないという安心を感じたらいつの間にか睡眠時間が伸びた、などです。
また、季節の変わり目ということもあり、体調の変化に関する話題が寄せられました。体調が悪くなる時のサイン、「やってはいけないことをしてしまうのではないか」という強迫恐怖、体調が良くなってきた時に被害妄想やネガティブな気持ちになる、といった内容です。その中で、体調の変化と人間関係の変化が密接に関係していると感じました。例えば強迫恐怖の場合はその観念を避けるようにするため行動する幅が狭くなってしまう。体調が良くなってきた時は視界が広がり色々と考える力が湧いてくるため周りと比べやすくなる、ということです。
これらについてもいろいろな方からコメントをいただいたので紹介します。強迫発作が起きそうな時にはアプリなどを活用し呼吸を整える、(いいかわからないけど)痛みでごまかす、無理せず抗わずそんな自分を受け入れる、などです。私が特に心に残ったのは、「何かに気づくことによって傷つくこともある。それをどう受容するか」というお話です。例えば自分の知らない自分や他人に見えている自分を知ると、想像していた自分像と違っていて凹むこともあります。でもそれが、実は自分の良さにつながることもあり、新たな価値観を開くきっかけにもなります。そんなことを、コメントを聞きながら感じました。
◇SNSでの自己開示
インターネット内(特にSNS)で、自身の精神疾患のことをどこまで開示したら良いか悩んでいるというお話がありました。それに関して、リアルでの知り合いが増えてくると知られたくない人に知られたりする、SNSはメンタルの負担になるので極力やらない、隠さないけれど意図的に出すこともしないようにしている、リアルで会うことを重視している(リアルではインターネット上に比べ世界中に広まるリスクは低いから)、少しずつ自分のことを出していくやり方もある、いくつもアカウントを使い分けすることで楽になった、人間は多面的な生き物だからいろいろな自分がいていいと思う、などのコメントが寄せられました。
◇お話会をきっかけに
以前のお話会でのことが新たな一歩のきっかけになったという方がいらっしゃいました。その方は、就労移行支援事業所に通う際に、すでに学んでいるビジネスマナーなどの基本を再度学ぶことがあったそうです。以前のお話会で、「今後『なんで今更こんなことを…』と思うときの練習になる」という他の方のコメントが心に残っていたので、『人間を学び直すいいきっかけだ』『初心に帰ってもう一度やってみよう』と思えたとのことでした。
このお話を聞いて、きっと他の方々もうれしかったのだと思います。このお話が、また新たな方への勇気の一歩になり、やさしさと勇気が広がっていく、そんな瞬間に立ち会っている気分になりました。
◇いただいた感想(抜粋)
・今日は他の方と近い悩みを共有できたので、参考になった
・睡眠のことで悩んでいる知り合いのことを思い出した、ぜひ教えてあげたい
・自分の悩みが解決したわけではないけれど、共有できたのが良かった
・自分の実生活を後押ししてもらえている、と言えてよかった
・夜だからか、しっとりとした雰囲気で良かった
精神障害の当事者という共通点があり、それぞれ別の人生を歩んでいる方々の集まりだからこそ、悩みに共感し、そして別の視点から考えることができ、実生活へのちょっとした勇気に繋がるのるのだと、改めて感じました。
お集まりいただき、ありがとうございました。(ソウ)
今年度のお話会の取り組みは、公益財団法人ホース未来福祉財団の助成事業として実施しています。