【活動報告】第83回お話会レポート(カウンセリング、焦りと過集中、就労と社会参加)
2024年を迎え、今年最初となるお話会が、1月14日、東京都障害者福祉会館において開催されました。今回で83回目となります。今回は、初めて参加される方3名を含む7名の方にご参加いただきました。お話会の中で挙げられたテーマの一部をご紹介します。
◇カウンセリング
カウンセリングを活用している人の話を聞きたいというお話があり、多くのご意見が寄せられました。カウンセリングの様子については、アドバイスよりも傾聴がメインだというところや、話して自分で気づかせるようにしているところ、具体的な悩みに相談に乗ってくれるところなど、様々なものがあるようでした。
活用している人の感想は、「結局自分で解決しなければと感じされられる」「家族などは悩みを聞いてくれないから助かっている」「良くも悪くもない」「アドバイスをしてもらえることはあるが、一般的にすぎない気がする」といったものがありました。
他にも、オンラインでの形式について「気軽に受けられて割安なのがありがたい」「心理的に追い詰められたときのお守りとして活用している」といった声もありました。
私もカウンセリングのようなものを受けています。カウンセリング中は支援者とのやり取りが周りから見えることがない分、自分が受けているものを俯瞰的にとらえることが難しいという側面があります。このテーマを出していただいたおかげで、少し遠目で、自分の治療を振り返る貴重な機会となりました。
◇焦りと過集中
焦りからオーバーワーク気味になり、反動による疲れがひどくなるというお話がありました。これに多くの方が共感され、「楽しいと気分が上がり過ぎてしまい、後で疲れる」「他にやる人が誰もいないと断れない」というエピソードも寄せられました。
これらについて、具体的な対策を多くご提案いただきました。「寝る前に1日を振り返り優先順位を見直す」「スマートウォッチで睡眠時間などを確認して自分自身をモニタリングする」「明日できることは明日やるようにする」「即答しない」「上を見たらきりがないから周りと比較しない」「自分第一」「スケジュールに余裕を持つ」などです。また「断るときに罪の意識を感じなくてもよいのではないか」「計画的な『倒れ方』を意識している」というご意見もありました。
◇就労と社会参加
働きたい、という心情をお話しされる方がいらっしゃり、それについていろいろな方がご意見を述べられました。働きたいという欲求の背景(劣等感の克服や社会的承認を得たい、人の役に立ちたい)や、今の自分を認めてくれる人の存在が大切だという話、「人の役に立つことをする=働く」でもないのではという話、また働くことへのジレンマ(「しっかり休まないと病気が長引くよ」と言われる一方で「働いていないと遊んじゃダメ」と言われてしまう)などです。
このようなテーマは、就労することが是である、という前提が多いです。私もそう思っていたことが長くありました。しかし今回のお話会では、その是非を越え、率直にみなさんがお話しになり、他の方の意見に穏やかに耳を傾けていたことがとても印象的でした。
◇寄せられた感想
- 他の人の視点を聞き、花が咲くようなひらめきをもらった
- 楽しく参加できた
- もっと楽しむためにも体力をつけたい
- 一日一日を生き延びていきたい
1月ということで寒い陽気でしたが、会ではいろいろなご意見が寄せられ、お互いを尊重するような温かな雰囲気の会になりました。寒い日が続きますが、どうぞお体にご自愛ください。
ご参加いただき、またこのレポートをお読みいただき、ありがとうございました。(ソウ)
今年度のお話会の取り組みは、公益財団法人ホース未来福祉財団の助成事業として実施しています。