【活動報告】第84回お話会レポート(就労の現実、やめてほしい時、当事者会の意義)
2024年2月4日に、第84回お話会が東京都障害者福祉会館で行われました。今回は、初めて参加される6名を含む、14名の方にご参加いただきました。会の中で話題に上がったトピックをいくつかご紹介いたします。
◇就労の現実
就労に関するテーマでは様々な発言がありました。就労支援事業所の話題では、とある事業所でのスタッフの対応が尊大であった、スタッフによって言うことが違うので困惑した、わからない人に合わせて進めるプログラムだったため苦痛だった、事業所の良し悪しは運要素が強いなどどというものもあれば、一方で、交友関係が広がった、事業所で開催していた実習面談会が役に立った、というコメントもありました。
就労後の話題では、障害者雇用では「〜しなさいね」と上から言われることが多く辛かった、就労したが数ヶ月で辞めた、就労を続けて8年になる、といった声が寄せられました。
お話を伺っていて、就労移行事業所や雇用先など、現実は玉石混交だと感じました。相性の良いところとマッチングして前向きに通われている方がいた一方で、何のために通うのかわからなくなるようなとても辛い境遇の場所もある、ということです。この状況をどうすれば改善できるのか、そんなことを思いながら耳を傾けていました。
◇やめてほしい時
自分にとって嫌なことをされた時にやめてほしいと言えなかったというお話がありました。それについて、いろいろな方からコメントが寄せられました。伝え方を工夫する(言い方を前もって考えておく、何か道具を使う、第三者に間に入ってもらう、表情がわからないからLINEは使わない)ことや、あまり我慢しない方がいいというご意見がありました。また、ある程度諦めることも大事だという声もありました。特にこの話題では、共感しながらお話を聞かれる方が多かったように感じました。
◇当事者会の意義
みなさんはどうして当事者会に来ているのですか、というご質問がありました。これに関して、とても多くの意見が寄せられましたが、特に多かったのが「精神障害のある当事者同士だからこそ、普段は他の人に言えないことが言える、共感できる」「会社や家と異なる居場所であり生活の一部」ということです。
私も同じように感じました。精神障害があることで経験している様々な辛さが、誰かのためになる瞬間がある。それが当事者会でありピアサポートなのだと思います。もちろん、人と人との繋がりである以上、時にはどうしても上手くいかない時もあるでしょう。それでも、このような奇跡が起こる場を続けていけたらと改めて感じました。
◇いただいた感想
- 自分の病気のことを話せて良かった
- 共感と共有の得られる場だった
- 暖かい雰囲気でまた来たいと思った
- 一人じゃないと感じた
- 自分の思っているのと同じことも違うこともあって勉強になった
◇おわりに
今回は、とても幅広い話題が出されたように感じました。それに色々な方からコメントをしていただくことで、自分の心にある言葉にしづらい思いが、すっと言葉になって出てくるような気分になりました。みなさんにご参加いただくことで、そういった瞬間が増えるんだなと感じました。
今回はご参加いただき、またこのレポートをお読みいただき、ありがとうございました。寒暖差のある日が続きます。どうぞご自愛ください。(ソウ)
今年度のお話会の取り組みは、公益財団法人ホース未来福祉財団の助成事業として実施しています。