【活動報告】第89回お話会レポート(就労について、診察に関して思うことなど)
梅雨明け以降、猛烈な暑さが続きます。スイカを食べたり花火を眺めたりするのにはよい季節ですが、日中の暑さは厳しいですね。熱中症等で体調を崩さないようお気をつけましょう。
7月21日のお話会には、初参加の方2名を含む13名の方が集まりました。話し合われたことのなかからいくつかをご紹介します。
■就労について
「これまでの働き方、就労継続支援B型ではどのようなことをしていますか」と参加者のみなさんの経験を聞きたいという投げかけがありました。就労継続支援B型については、「刺繍製品作り」や「パソコンの不要部品を利用したアクセサリー作り」など、製品作りを行っていたという経験が寄せられました。調べてみると、就Bではそのほか、例えばパンやお菓子の製造、カフェでの接客、農作業、屋内外の清掃作業などの仕事などがあるようです。
また、「どのようにして、パソコンを使用した仕事を探しましたか」という質問も挙がりました。「国や地方公共団体は近年障害者雇用に積極的になっていて、そのなかにはパソコンを使用した事務作業もありますよ」といったコメントがよせられました。特例子会社のように、一人ひとりの特性に合わせた合理的配慮や、相談支援スタッフの配置などが行われている職場もありますが、必要な形で配慮を得るために職場でのコミュニケーションに苦労をされている人が多いように感じました。実際、「仕事のミスをスタッフから強く叱られ、そのショックで体調も崩してしまった」という経験もあがり、就労関係に限らず、人間関係を育むことの大事さと難しさを共有する時間となりました。
■診察に対して思うこと
“診察に対して思うこと”を共有する時間もありました。「話をじっくり聞いて診察をしてもらいたいが、そういう医師にめぐりあえない」とのお話がありました。このことに対して、「耳を傾けて下さる医師に出会えないことには同感です」、「調子が悪いと話すと薬を増やすだけの医師もいて話しづらい」、「医師も多くの患者さんを診なくてはならないので、どうしても診察時間が短くなってしまうのでは」といった声が上がりました。このように希望と現実のギャップに悩まれる方が多くいました。
また、「医師に話を聞いて欲しい」ことの代替案として、「精神科訪問看護の利用」というアイディアが上がりました。状況により利用できる時間や日数に違いがありますが、診察時だけでなく、訪問看護スタッフに話を聞いてもらったりするのも良いと思いました。
■フラッシュバックへの対応
寄せられた話題の中には“フラッシュバックへの悩み”も挙がりました。「過去に支援を受けていた職員者から受けたひどい言葉を忘れることができないでいます。数年前の出来事なのにいまだにフラッシュバックが起きます」との悩みが寄せられました。支援者から受ける言葉の暴力はときに精神的な虐待とされ、心身に大きなダメージを与えるものです。残念ながら、このような現実が実際にあることも共有できたことはとても大切なことだと思いました。
フラッシュバックについては、内容や程度の違いはあったと思いますが、多くの参加者に当てはまることがあったようです。向き合い方の経験談が様々に寄せられました。「思い出された嫌なことに自分が乗っ取られないようにする。乗っ取られてしまうとしんどい」、「嫌な出来事を自分に都合の良い解釈をして(物語を作って)流す」「(今は)脳内の対ストレスに関わる物質の出が弱いのだと俯瞰して考えてみる」、「別のことに集中して嫌なことを忘れるようにする」などが挙がりました。フラッシュバック、頭に出てくるつらい考えに対して、「俯瞰する」「乗っ取られないようにする」「流す」「違うことを楽しむ」などのキーワードが示され、それぞれに合った対処を見つける参考になると思いました。
■みなさんからの感想より
・安心感につながった
・どの話もこころに刺さる。マイナスの感情を抱いているのは自分だけではないとわかってよかった
・自分だけが辛いのではないとわかった
・この場が自分の居場所になってくれたらいいなと思いました
などの感想が寄せられました。
自分の思いを否定されずに話すことができる「お話会」。参加される目的はそれぞれですが、「お話会に参加できて良かった」と思ってもらえたらなによりです。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。(岡村)