第107回お話会レポート(症状と向き合うこと、仕事が忙しいときの調子の保ち方など)

1月31日、東京都障害者福祉会館にて第107回お話会を開催しました。会場に着いて仲間たちに会うと、寒さでいつの間にか緊張していた体も、ほっとして気持ちとともにほぐれるような感覚があります。今回は、初参加の人3名を含む13名の参加がありました。話題にあがったトピックスをいくつかご紹介します。
◇症状と向き合うこと
「みなさんは、ふだん自分の症状とどのように向き合っているのでしょうか」と話題をあげてくれた人がいました。精神障害のある私たちは、それぞれに自分の体調を考慮しながら生活していますが、改めて皆で毎日のことを共有する機会になりました。
「人に会う場面で緊張してしまいます。体の緊張が強くなり、言葉が出てこないこともあります。症状があると、この先仕事ややりたいこともできないのではないかと不安になっています。それぞれ症状は違うかもしれませんが、みなさんはふだんどうしていますか?」
皆から共感が示され、まず、行っている工夫について話をしました。「過緊張や言葉が出てこないことは私もあります。それでも、不安になりすぎずに人と話したい、雑談もしたいなと思って色々と試しているところです。ノートに、『こういう状況の時はこんな言葉を使う』と場面を設定して自分は何を言うかを書き出してみています。いざそういう時になったら不安が勝ってしまうのかもしれませんが、まずは少しずつやってみようと思います」。
「私自身の症状は少し違いますが、体調の波がどうしてもあるというのは共通しているのかなと思いました。私は、これまでの経験から『よく食べて、寝て、遊ぶ』ことが大事だと考えています。特に寝ること。
連休中予定を入れずに寝ていたらすごく体調が良くなった経験があり、『これは、寝なきゃだめなんだ』と思いました。しっかり寝ると思考もいい感じになりました。ベースの部分はおろそかにできないな、と感じています」。

これについて、別の人から「寝るのが大事と分かっていても、私は寝付けなかったり目が覚めたりして難しいこともあります」との言葉がありました。「そうなんです。私もどうしても眠れない時は薬を飲むのも選択肢にしています。それから効果があったのは体を動かすこと。動くのもきついときもありますが、できるときに、朝陽を浴びながら散歩するぐらいで調子が良くなると感じています」。睡眠についてはお話会でもしばしば話題になります。「いい感じ」の体験をきっかけに好循環が生まれるというのは、ひとつのヒントかもしれません。
環境を変えてみるという話もありました。「自分での工夫には限界もあるので、私は思い切って仕事の環境を見直しました。私の場合は人と一緒に働くのは難しいと思い、リモートでの仕事をしています。今の仕事に就くまでには時間もかかりましたが、毎日のこととして、自分にとってつらい環境を避けられるのは大きいと感じています」。
また、サポートの利用についても話されました。「訪問看護を利用し始め、ずいぶん気持ちが安定しました。週に一度話を聞いてもらうことでほっとします」「私も訪問看護を利用していて、主治医には話せないようなことも話します。人に話すと楽になるんだなあと実感しています」。症状があると、頑張って良くならなくてはと焦ってしまいますが、医療や福祉のサービスなど自分の生活を支える頼れるものがあると知り、周囲の人とも一緒に考えていこうと思えると、向き合い方は大きく変わります。個人の工夫だけに頼らず、訪問看護等の支援資源を活用することが、症状と向き合うための現実的な選択肢となり得ることも、参加者の経験を通じて共有されました。
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この話題の最後には、「みんなの話を聞いていて、自分一人で悩まないで話していくのが大事だと思いました」という言葉もあげられました。お話会で仲間の存在をお互いに感じられることも大きな力になります。
◇仕事が忙しいときの調子の保ち方
「残業が増えていて、だんだん体の緊張がとれなくなってきています。朝にふと職場へ行きたくないと思ったりもします。また、いつもはしないようなミスも出てきました。こんなとき、みなさんはどうしていますか」。
忙しさが続くと、頭の力をふっと抜くような余裕がなくなり、いつの間にか心身ともいっぱいいっぱいになってしまったというような経験のある人も多いのではないでしょうか。
「私は日記を書くようになって変化を感じています。いっぱいになった頭の中のもやもやを書き出すことで外に出せます。もやもやだけでなく、日ごろは言葉にしないような感謝の気持ちを書いたりもしています。あまり場所を選ばずに気軽に取り組めるのも良いです」。
「以前忙しかった時がありましたが、毎月の休日のうちの1日は、お話会のような当事者の会に参加する日にしていました。仕事がつらくてやめたいなと思っていた時も、仲間の話を聞くことで『やっぱり自分でやろうと思った仕事だから明日も行こう』と力をもらえていました」。仲間とのつながりについて、別の人からも経験が話されました。「再就職に向けて勉強していたころ、挫折を経験しながらも目標に向かっている人たちとオンラインでつながったことが励みになりました。同じような苦しさを抱えている人は結構多くいて、お互いに応援し合える感じが支えになりました」。

心身の調子の基準をどのように考えるかという話も出されました。「私も色々と無理をしてきたこともあり、『なんとか出社できているから、ちょっとだけ無理をすれば働けるから』というのではなく、『朝起きたときに100パーセント回復しているかどうか』を自分のラインにしました」。
無理をするのがふつうになっていくと、いざ休もうとしても感覚がうまくつかめないこともあります。自分の中でのふつうの基準を見直して、日々の余裕を確保しておくのも大事なことです。
話題をあげた人からは、「長い目で見た時に、人とつながっているというのは大事だなと思いました。それぞれの話を参考にしていきたいです」との感想が話されました。
◇おわりに
お話会の最後には、皆で感想を共有しています。
「仲間がいて一緒に話せること、話さなくてもこの場にいることが大切なのだろうなという感じがしています」
「話せて、心が安らぎました」
「障害や病気に関する情報は日ごろ見ていますが、ここに来て実際の話を聞くことができて良かったです」
ふだんは意識していなくても、安心できる場でだからこそ出てくる言葉や気持ちがたくさんあります。これからも皆でよい場をつくっていきましょう。
この取り組みは、公益推進協会釋海心基金の助成により実施しています。(相良)

