【活動報告】第92回お話会レポート(自律神経の整え方、精神科通院のことを他科受診の際にどのように伝えるかなど)

ようやく秋めいてきました。今年の夏の酷暑には参りましたが、やっと身体を動かしやすい季節が訪れたことにほっとします。2024年10月12日に、第92回お話会が東京都障害者福祉会館で行われました。今回は、初めて参加される方2名を含む12名のご参加がありました。

 

■自律神経の整え方

今回は、季節の変わり目の開催ということもあって、自分の心身の変化や不調を感じている人も多く、体調や自律神経に関して他の人の工夫や経験を聞きたいという声が多く上がりました。

「感情で言うと『悲しみ』。毎年、秋から冬は落ち込みやすい」、「気持ち的には大丈夫でも、体が動かず起き上がれないことがある」、「自律神経が弱いので、特に気温差が出てくる今は体調に気をつかう」と、それぞれが不調を抱えていました。そこから、それぞれが工夫していることがシェアされました。岩盤浴で体を温めてリラックスする時間をとったり、肌触りの良い素材の服を着たり。
また、一度交感神経を刺激することで、その後に副交感神経を優位にすることができるという話もあがりました。「定期的に行くサウナと外気浴で<整う>」、「ジムに通いだしてから調子が良い。行く前は億劫だが、行って身体を動かすとやはり気分が良い」。「鍼灸師からは自律神経を整えるために滝行を勧められた」という話には、「さすがにそこまでは難しいから、水風呂に挑戦してみてはどうか」など、日ごろ行っている方法が共有され、皆がうなずいていました。

「この時期は気持ちも沈んで動きが悪くなるが、皆の話から、体のどこかにあるスイッチを押せると調子が良くなりそうだと思った」という感想にも共感が寄せられました。

 

■精神科通院のことを、他科受診の際にどのように伝えるか

残念ながら現在の日本においては身体科の受診に際し、精神科に通院していることを理由に対応を断られることがまだあるというのが現状です。はっきりと言われなくとも別の理由でやんわりと受診を拒否されたり、受診はできても偏見の目にさらされたりする不安があります。「偏見にあうのではないかと心配なので、できる限り身体科では精神科受診のことを言わないようにしているが、皆はどう考えているか」との問いがありました。

これに対して、「聞かれなかったら話さないほうがいいかなと思ってしまう」、「内科で精神科通院のことを話すと、身体的な症状を訴えても『精神的なものだろう』と判断された」、「身体科に入院した際に『本当に精神科の薬を飲んでいるか』と監視の目を感じた」とネガティブな経験の共有がありました。

一方で、「基本的にすべて伝えている。MRI検査の際には非常停止ボタンを持たせてもらえた」、「親族の緊急入院の際に、不安が強く自分の通院のことも伝えたところ、看護師の自分への対応が良く助かった」という声もありました。

医療以外の場面で障害の開示の話題にも広がりました。「じっと座っているのがつらくなるかもしれないと思い、美容室でも伝えたことがある」、「整体のスタッフにも伝えている」などと、自分の体にかかわる様々な場面での伝え方についての話がありました。

また、「精神科の主治医にも、身体科受診のことまで診察時間が短いために言えていない」という話もあり、この問題の複雑さがうかがえました。

精神科や身体科それぞれに他科の受診の状況を伝えると、どのように治療に活かされるのか、服薬のリスクを避けられるか等、私たちには不透明な部分も大きいと感じました。精神障害への偏見が現にあり、実際に不利益を被る可能性があるとなれば、私たち当事者は医療受診が必要な苦しいときにされ悩まなくてはなりません。このような状況改善のためのアクションが必要だと改めて考えさせられるテーマでした。

このテーマを挙げてくださった方から、ご感想をいただきました。

「精神科以外の病院にかかったとき、自分の病歴が筒抜けになり、偏見の目で見られるのでないか?とつい疑心暗鬼になってしまい、みんなは気にならないのか知りたいと思いお尋ねしました。聞いてみて、大多数の人は自分の病気を医療機関で正直に話しているようだと感じました。

個人的には、マイナ保険証の普及は国の福祉制度への信頼感や医療機関に対する信頼にかかわるのではと思っています。集められた個人情報が正しく使われ守られるという信頼があれば、普及していく気がします。本当に社会保障費が削減できるならば、マイナ保険証は良いものかもしれませんが…。

話してみて、自分としては、今後はもう少し人を信頼できるようになりたいなと思いました。信頼できなければ困っても適切に人を頼れないので。」

 

■おわりに

世間ではマイナ保険証が推進される雰囲気が強くなり、私たち当事者の中では、精神科の通院歴や服薬のことを他の診療科で知られることへの不安も大きくなっています。自分の個人情報が適切に安全に運用され、偏見や差別の問題がさらに強化されないか、懸念をしっかりと行政を含めて関係機関に伝えていきたいと思います。今回のお話について、私たちが望む医療を受けるための課題への取り組みの一環として取り組んでいきたいです。

お話会も100回目が近くなってきました。引き続き、皆でつながりを感じられる場をつくっていきましょう。(相良)

↓シェアをお願いします↓