【活動報告】第97回お話会レポート(自分の理解者、減薬についてなど)

3月22日、第97回お話会が東京都障害者福祉会館にて行われました。会場の敷地の木々にも新芽が顔を出しており、春の訪れを感じます。今回は、初参加の方1名を含む13名のご参加をいただきました。
季節の変わり目の影響もあるのか、体調がすぐれないとのことでキャンセルされた方も複数いらっしゃいました。何かと変化の大きい時期ですが、心身の調子を整えつつ過ごしましょう。

 

◇自分の理解者

「自分を理解してくれていると思える人について、どんな人か、どのぐらいいるのか、皆はどう感じているのか聞いてみたい」という話題をあげてくださった方がいました。

その方は、まず主治医が理解者だと思っていると言われました。「今の主治医は10年以上になる。前の主治医の時は出された薬を飲むだけという感じもあったが、今の主治医になってから『自分の治療に自分で参加する』ということを頑張るようになった。その結果、コミュニケーションがとれていると感じられている」。他の方からも、「自分も今の主治医になって10年ほど。互いに提案しながら話せている」という声がありました。

また、「相手が自分のことを理解するのは難しいかもしれない。でも、自分は支援者さんに『なんでも尋ねてほしい』と積極的に発信するようにしている。質問されると自分もどう伝えたら伝わるだろうかと考えられるし、お互いをもっと知るきっかけになると思っている」という意見も出されました。また別の方からは、「障害者雇用で働いている。障害全体の理解というよりも、面談の時に『春は毎年体調を崩しやすいので、この時期は負荷を小さくしたい』など具体的な調整について話し合うようにしている」というお話もありました。

皆それぞれに、自分の障害や症状も含めて理解してほしいと思う人に対しては、主体的にコミュニケーションをとろうという姿勢をもち、工夫をしているのだと感じました。

一方、「家族は障害の特性や症状に対して協力的だとは思うが、理解はしていないのかなと思う」という話が出されました。家族へ疾患の説明資料などを渡したけれど、読んでもらえなかったそうです。

そこで、「分かってもらうというのはどういうことだろう、理解されてどうなることを望んでいるのだろうか」という話になりました。ある方は、「家族が一番の理解者。毎日のように不安になるが、その度に温かい言葉をかけてくれる。昔は症状で迷惑をかけたこともあると思うが、当時のことも分かってくれたうえで、今自分に接してくれている」と、家族への感謝を言葉にされました。「パートナーにも障害があり、衝突もするがお互いに理解していると感じている」という方もいらっしゃいました。また、友人の対応が嬉しかったという話も共有されました。「困ったときによく相談していた友人がいて、自分の言葉を否定せずに受け入れてくれて、とてもありがたかった。ここまで理解してくれる人は今までいなかったと感じた」。

さまざまな経験が出されたところで、はじめに家族の理解がないかもしれないと言われた方は、「そう考えると、家族に今より理解してもらいたいことはないかもしれない。家族に協力してもらえていることが自分にとって大事なのだと思いました」と話してくださいました。

皆のお話から、自分が肯定されている、大切にされていると思える関係について再考できました。精神障害の理解には知識も大切かもしれませんが、人間同士のかかわりができているという感覚が、障害のある私たちにとって、またおそらく相手にとっても、大切にされるべきものだと思います。

 

◇減薬について

「薬を減らしたいと思っているのだが、皆の経験を聞いて参考にしたい」という話題が出されました。減薬したいと思ったきっかけは副作用の出現とのこと。「何もしていない時に勝手に手が動いてしまい、『落ち着きがない』とか『イライラしているの?』など言われてしまったので、減薬したらどうだろうかと思った。主治医に相談したら減らしてみても良いと言ってくれたが、症状的には安定しているので、減らすと実際どうなのだろうか」とのことでした。

これに対して他の方から、副作用に関しての経験が共有されました。「自分もアカシジアなど薬の副作用が色々出たので、副作用止めを処方され今は少し落ち着いている。また以前はある薬の副作用で生活に大きく支障が出てしまい、医師に相談して薬を変更してもらったら、副作用はなくなったということもあった」。ある方からは「薬を変えたいと申し出たら、『薬を変えるのであれば入院しないと責任が持てない』と言われてしまい、あきらめたことがある」という経験も話されました。副作用がつらいときは、薬自体を変える相談をするのもひとつの方法かもしれませんが、そこにも困難がある場合もあるようです。

薬の減らし方については、「量も種類もたくさんの薬が処方されていた時、症状と副作用の区別もつかないほどになり減薬することになったが、その時の主治医は極端に一度に減らし、相当つらい状態になってしまった」という経験もあがりました。薬を減らすときは丁寧に診察してもらえる、相談ができる環境があることが必要です。

話題を出された方は、「主治医には、副作用止めのことも合わせて尋ねてみようと思います」と、皆の経験を参考に、副作用や減薬について考えていきたいと言われました。

 

◇おわりに

お話会の最後には、「最近調子が悪くてお話会に参加できるかも分からなかったが、今日来られてとても良かったです」「人と会うのはやっぱり良いことだと思いました」など、仲間との交流ができたことでの安心感やほっとできた感覚が共有されました。

前回に続いて、お話会の後に東京タワーまで皆で語り合いながら散歩をしました。先月はまだまだ寒かったのですが、今回は暑いぐらいで、歩くとシャツ一枚でちょうどよいぐらいになりました。来月のお話会の頃には桜も満開になっていると思います。新しい季節、新しい仲間のご参加も皆でお待ちしています。(相良)

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