【報告】ポルケ第1回学習会「障害当事者に学ぶ ピア・カウンセリング ~自分の生活に取り組んでみよう~」

(企画概要)

今年度、精神障害当事者会ポルケ(以下、当会)では、精神障害者の当事者性に即した経験と見地を十分に発揮した権利擁護活動を行う共助人材の育成を行うための基礎知識と実践の学びとして、「コミュニケーション」「意識啓発」「実践の学び」にフォーカスした連続企画を、ボランティア・市民活動支援総合基金 ゆめ応援ファンドの助成のもとに実施をする。
今回はその初回として、精神障害当事者に対象を限定した形で、「ピア・カウンセリング」の学習会を実施した。自立生活プログラムの一環で実施をするピア・カウンセリング講習会の開催期間は、通例は長期にわたる。講師を務めていただいた八王子ヒューマンケア主催の講習会でも2泊3日型の長期研修が主であるとのことであった。今回は、体験の形式で、一日開催の企画として実施をした。

(内容概要)
 日本の自立生活運動のメッカである八王子ヒューマンケアセンターにおいて、20年以上にわたり、ピア・カウンセリングを事業として取り組まれていらっしゃる八王子精神障害者ピアサポートセンター代表の田島裕美氏と副代表の竹沢幸一氏を講師としてお招きして実施をした。講師は、精神障害当事者として、長らく日本各地でピア・カウンセリング講習会を第一線で実施されてきた。今回は、自立生活運動を支えてきたピア・カウンセリングの歴史、目的、ルールの学びとび体験(セッション)を経て、学習を行った。

(実施日時・会場)
日時:2017年7月30日(日)11:00~16:00
会場:大田区立消費者生活センター 第5集会室

(対象及び参加者)
 ピア・カウンセリングで、謳われる「ピア」の定義とは、同じ体験や経験を有している仲間という意味という意味がある。そのため、本企画の対象者は、精神障害当事者と限定をした。当会として、精神障害当事者の定義については、「精神医療もしくは精神保健福祉サービスのユーザーの経験者」と、現段階では定義づけをしている。実際、申し込みの際にその旨の質問が及ぶこともあったが、当会としては、健康へのプライバシーも考慮をし、具に診断名について確認をすることは控えた。
WEBやチラシの広報効果もあり、定員いっぱいの12名の申し込みをいただいた。天候不順の影響もあり、残念ながら体調不良で2名は欠席をされた。定例の取り組みである「お話会」のメンバーも5名の参加があった。新規参加者者との人数バランスも良かった。

(左より講師の竹沢副代表・田島代表)         


(今回の学びについて) 

・ピア・カウンセリングの歴史

身体障害者が中心となり発展をしてきた自立生活運動は、発祥のアメリカだけではなく、世界各国で展開をされることになる自立生活運動に大きな影響を与えた。その波及対象は、身体障害限らず、精神障害や知的障害や難病も含まれるさまざまな障害者運動と実体的な福祉サービスに大きな影響を与え続けている。日本でも70年代以降、自立生活センターが各地域で作られる中で、その事業を支えるプログラムのひとつとして、ピア・カウンセリングは、大いに貢献と発展を遂げてきた。

なお、今回講師をお勤めいただいた、八王子精神障害者ピアサポートセンターは、日本の自立生活運動のメッカである八王子ヒューマンケアセンターを母体とする、精神障害当事者により運営をされる歴史ある団体である。

・ピア・カウンセリングの目的

ピア・カウンセリングの目的は3つに集約をされる。①自己信頼の回復 ②他者との関係の再構築 ③社会変革。「これは、どれかが欠けて成立するものではない」という箇所がポイントのように感じた。終了後、ある参加者からは「トライアングルの重要さに気づかされた。当事者会の運営に大いに参考になった」といった趣旨の感想もあった。

・ピア・カウンセリングのルール

①時間を対等にする ②秘密厳守 ③否定、批判をしない ④助言、アドバイスをしない。安心した環境でピア・カウンセリングを行うために以上のルールがある。そして、目的達成するために、「答えは自分の中にある」という考えを守り、発展させるためには不可欠なルールだ。併せて、無理のない範囲で、「タバコ、酒、カフェインの入った刺激物を講座中は、なるべく取らないようにする。」というものがあった。ピア・カウンセリングの効果を体感するために設けたプラスαのルールとのことだ。

・ピア・カウンセリングの手法

各回テーマに基づいて、基本は1対1のペアとなり、上記のルールに基づいたセッション(対話)を3分~5分程度行った。なにか相談に応えるようなものではなく、聞き手はただひたすらに真摯に耳を傾ける。所定の時間の後に、「テンションバック」という逆質問を通じて、話し手と聞き手の役割が交代をする。テンションバックは、内容にかかわらない質問で、気持ちと頭を切り替えるために行うプロセスである。今回は、<人間の本質> <傷について> <感情の解放>などのテーマで、セッションを行った。

(文責:山田悠平)

 

(今後の方針)

アンケートからも参加者から良好な感想が多くあった。来年度以降も引き続き、大田区を周辺にピア・カウンセリング講習会を実施する。宿泊をともなう長期講座もゆくゆくは実施をしたい。

(今後の課題)

 会場と担い手・協力者の確保が、安定的な実施には必須。安定実施のために、財政確保も課題となる。地域の関係者などに協力の申し出を引き続き行う。

(運営)

◇主催:精神障害当事者会ポルケ

◇協力:

・八王子精神障害者ピアサポートセンター:講師派遣

・大田障害者連絡会:広報協力

・特活!風雷社中:交通補助(講師の送迎)

◇助成:2017年度 ボランティア・市民活動支援総合基金 ゆめ応援ファンド

20170730 精神障害当事者会ポルケ第1回学習会報告書アンケート集計付