【報告】ポルケ第3回学習会「当事者性を活かした支援・働き方とは?~ピアスタッフの現場から~」

(企画概要)

今年度、精神障害当事者会ポルケ(以下、当会)では、精神障害者の当事者性に即した経験と見地を十分に発揮した権利擁護活動を行う共助人材の育成を行うための基礎知識の学びとして、「コミュニケーション」「意識啓発」「実践の学び」にフォーカスした連続企画を、ボランティア・市民活動支援総合基金ゆめ応援ファンドの助成のもとに実施した。
今回はその第3回目として、「当事者性を活かした支援・働き方とは?~ピアスタッフの現場から~」と題して学習会を開催した。ピアスタッフ(当事者の対場を表明して福祉職員として従事する者)として活躍をされる横浜ピアスタッフ協会の方々に現場報告をいただいた。近年、ピアサポート人材の確保が、精神保健福祉にかかる厚労省の指針にも謳われたように、ピアサポートのあり方に大きな関心が集まっている。他方で、既存の精神保健福祉体制のもとでのピアスタッフの仕事としての関わりに矛盾や限界を指摘する声も聞かれる。実際、本学習会実施の前週には大阪医療人権センター主催「精神科病院に入院中の人々のための権利擁護の実現に向けて ~日精協によるアドボケーターガイドラインはあかん!!!~」と題した院内集会が行われた。
今回講師には、YPS協会の堀合悠一郎 さん、堀合研二郎 さん、瀧沢賢広 さん、住友健治 さんをお招きした。日頃の支援の様子や当事者性を活かした支援という副題に対しての見解などをそれぞれお話しいただいた。後半は、クロストークを交えながら、フロアーからの質問にもお答えいただいた。

 

(実施日時・会場)
日時:2018年2月10日(土)13:30~16:00 会場:入新井集会室 小集会室


(対象及び参加者)
 対象は精神障害当事者に限定せず、関心者も含めたものとした。日頃から実施をしている当会主催のお話会(精神障害当事者を参加限定とした交流会)の参加者や地域活動に関わる人など、広くWEB媒体を通じて声掛けを行った。後援団体・助成元にも広報協力をいただいた。

一時は定員を上回る申し込みがあった。一方でキャンセルが多く、対象属性も考慮した運営を課題としたい。最終的に参加者は32名であった。

 

(今後に向けて)

当会として提供した厚労省科研費調査ではピアスタッフの現状課題として、“ピアスタッフの同僚が少ないことでの職場での孤立”や“サービス利用者との距離感の保ち方”等が挙げられていた。今回のYPSからのレポートは、国内のピアスタッフが抱えている課題を払拭するような好例についての報告が多数あったように思う。事業所内に複数のピアスタッフがいること、ピアスタッフが誕生するまでのプロセスが利用者にも「見える化」されている点は、特に印象的で、参加者からの同様の感想も目立った。また、ピアの支援の優位性に対しては直接支援の在り方よりも、職員と利用者との固定しがちな力学関係の脱構築に資するとの報告もいただいた。福祉全般が抱える「支援をする人、される人」といった関係性を超える在り方の示唆をいただいたようにも思う。(そもそも「支援」というフレーズ自体に違和感があるとの意見もあった)

日本ピアスタッフ協会の活動状況についてもレポートもいただいた。別所では、昨年の同協会のフォーラムでは倫理綱領づくりの分科会もあったと聞く。ピアスタッフが存分に立場性を活かし、充足した支援ができるようにサービス利用者としても今後大いに関心を持ちたい。

ところで、ピアスタッフに対して否定的な感情をいただく当事者も一定数いる。経験したリカバリーストーリーを一般化されて困った、健常者支援者よりも抑圧的といった類の話も聞く。ポルケとしては、福祉サービスユーザーの視点から、ピアスタッフのあり方、ワークスタイルについても引き続き関心を持っていきたい。(文責:山田)

※なお、当日の音声記録をホームページでアップロードを予定している。

(アンケート結果抜粋)

・ピアに関する学習会に参加すると、支援者としては肩身の狭い思いをすることもあるのですが、

本日の学習会はどの立場でも参加して勇気づけられとても勉強になる内容だったと思います。

ありがとうございました。

・自分の思いで仕事にも活動にも工夫して取り組んでいるスタッフさんの姿を見ることが出来て楽しさの共有とか自ら新しいものを創り上げている姿を見ることが出来て良かった。

自分も含め沢山の可能性を感じることが出来た。

・ピアスタッフの現状について詳しく聞くことができた。

メンバー側がピアスタッフをどう活用したらよいのかについてもう少し話が聞きたかった

(運営)

◇主催:精神障害当事者会ポルケ

◇後援:全国「精神病」者集団、大田障害者連絡会、おおた区民活動団体連絡会、おおた社会福祉士会

◇助成:2017年度 ボランティア・市民活動支援総合基金 ゆめ応援ファンド

 

20180210精神障害当事者会ポルケ第3回学習会報告書