【活動報告】第72回お話会/職場での合理的配慮、コミュニケーションについてなど

2月も下旬、少しずつ春が感じられる季節となりました。2023年2月26日(日)に、第72回お話会を大田区蒲田にある「カムカム新蒲田」にて開催しました。今回は初めて参加される方1名を含む、計11名が参加してくださいました。今回は以下のようなテーマでお話しをしました。

◆職場でのコミュニケーション

 職場での「気持ちの共有」について話題にあがりました。仕事の量や質について、ほかの同僚のように淡々とはこなせない。業務をこなせたとしても、それがどの程度の負荷がかかっているか報告したいが、「気持ちの共有」については、まるで業務報告外という扱いをされてしまっている。「気持ちの共有」については就労定着支援でカバーするように言われていて、あまり納得できていない。粛々と結果を共有することで仕事的にはうまくまわるところもあるが、自分にとってそれが良いとは必ずしも思わないといった話が寄せられました。

これに対して、他の方からは、「(職場では)伝えたいことが伝わらないのが日常で、諦めている」「伝わらない時の感情がいったん収まると、「ま、いっか」となってしまうので、伝えるより自分を守る方で自己完結してしまう。」「アサーティブコミュニケーションを学び、実践に取り組んでいる」などの意見が出ました。自身も一般の方の中で、精神障害の方を支援する仕事に就いており、立ち位置に悩むことが多々あります。皆さんの苦労が垣間見れ、参考になったり、共感が深まりました。

◆コミュニケーション、気分のコントロール

職場のほかに家庭でのコミュニケーションに苦労されているという話題もあがりました。特に印象に残ったのは、2世帯同居のご家族のお話でした。祖父母との関係がぎくしゃくした時に、子どもたちが間に挟まれ苦しい思いをしないようにしたいというお話がありました。子どもたちと一対一でお風呂に入る時間を作るなどして、フォローする時間を持っておられるとのことでした。ご自身で、感情的になってしまう自覚があること、なかなか思い通りにコミュニケーションできないことなどを言葉を選んで説明もされているとのことでした。お話会で寄せられる他の当事者のコメントが参考になることもあるようです。

自身は幼い頃、両親の間を取り持つことが多く、そこへのフォローはありませんでした。家族について真剣に向き合ってもらえる素敵なお母さんをお持ちのお子さんがうらやましくも思いました。

 

◆感想

最後に全体の感想を共有します。

・思っていることを周囲に伝えるのは難しいことだと共感しました。

・コミュニケーションをものすごく頑張ろうとしている自分に気づいた。

・アサーションについて、知識はあっても実践は難しいと思っている人が多いと知って安心した。

・コミュニケーションの問題の根底には、生育歴なども影響しており根深い問題だと再認識しました。

お話の流れで、ある方がおっしゃった、「求められるまでは、アドバイスはしない」という言葉に、はっとさせられました。どうしても、「自分はこうやって、克服できた。だからあなたもそうすればできるんじゃないか」と、偉そうなことを言いたい自分がいます。相手を思いやることの奥の深さを考えさせられました。今回も学びの多い会になりました。(安藤)

2022年度の本事業は、公益財団法人公益推進協会の「思いやり支え合い」基金による助成事業として取り組んでいます。

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