【活動報告】調査研究協力の取り組みー地域で生活する精神疾患当事者が抱く自身の目標や期待する将来像ー
精神障害当事者会ポルケでは、様々な研究者の皆さんとの協働事業を行っています。今回ご紹介するのは、2020年頃より国立精神神経医療研究センター精神保健研究所の塩澤拓亮さんや川口 敬之さんらと取り組んでいたアンケート調査の分析に参画したプロジェクトが「地域で生活する精神疾患当事者が抱く自身の目標や期待する将来像」論文として公開されたものです。当事者団体の経験や視点から挙がってきたコメントを分類整理する過程で意見を述べるなどしてきました。
下記のホームページよりダウンロードして閲覧することができます。(右上にある「PDFをダウンロード」をクリックしてください)ご関心をお寄せいただければ幸いです。
研究論文 地域で生活する精神疾患当事者が抱く自身の目標や期待する将来像 (外部リンク)
■抄録
本研究は,精神疾患当事者が支援や治療を利用しながら地域で生活していくうえで抱いている目標や期待する将来像について明らかにすることを目的とした。地域で生活する精神疾患当事者で,当事者・支援者団体の機関誌のライターとして登録されている約500名を対象にインターネットを用いたアンケート調査を実施,135名から得られた357回答(複数回答を含む)が分析対象となった。得られた回答を,精神疾患当事者として社会的活動を行っている者と共同して内容分析を実施した結果,【健康に対する考え】【症状に対する考え】【薬物治療に対する考え】【社会保障制度に対する考え】【生活の組み立てに対する考え】【お金に対する考え】【仕事に対する考え】【自己の在り方に対する考え】【人生の豊かさに対する考え】【恋愛・結婚・家庭に対する考え】【家族との関係性に対する考え】【人との関わりに対する考え】【社会との関わりに対する考え】という13の大カテゴリーと40のカテゴリーが得られた。参加者は,病気の克服や治療の終了という臨床的リカバリーに限らず,症状があったとしても自分らしく生きることも重要視していた。また,就労や恋愛・結婚などへの関心が高い一方で,課題も示された。本研究は,今後の日本の地域精神保健領域で取り扱うアウトカムについて検討する資料,加えて研究における患者・市民参画の活性化に寄与する可能性がある。