【報告・パブコメ】第4期障害福祉計画
p37[6-(1)-5] 保健・医療の推進に関して
副作用被害が大きく、不可逆的な後遺症を残す人もきわめて多い治療抵抗性統合失調症治療薬(以下「クロザピン」)の扱いには大いに懸念する。
ここ数年クロザピンは随所で推進される動きが散見される。抑制・身体拘束の軽減策として謳われ、また医療観察法においては難治性精神疾患対象者受入促進加算創設の動きもある。
しかし、無顆粒球症などの血球障害は重篤で、過去にこの副作用がきっかけとなって、一時的に世界中で販売停止または開発中止の措置がとられたとされ、不安を覚える精神障害者は数多くいる。講習等を受けて「クロザリル患者モニタリングサービス」(CPMS)に登録された医師・薬剤師の下でしか使用できないこととされるが、倫理規範の努力義務の範囲でしかない。
そして、クロザピンの統合失調症に対する詳細な作用機序は、いまだ学説的検証が追い付いていない。また、国内の製造メーカは1社独占状態の中、他の薬よりもアドバンテージを与えて推進することに疑念を感じる。このような患者の医療不信を招くクロザピン推進に対して、精神障害当事者団体として最大限の懸念を表する。