【活動報告】障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(改定案)に係る意見提出

2021年5月に障害者差別解消法が改正され、本年11月まで内閣府障害者政策委員会にて基本方針の改定が議論されました。この改定案について実施されていたパブリックコメントに際して、下記の通り提言をいたしました。精神障害について偏見や差別の問題が根深い状況の中で、精神障害のあることを明らかにして合理的配慮を得ることが構造的に困難があることを見据えた制度運用のあり方を求めるものです。そして、内閣府障害者政策委員会に精神障害者などの代表ある障害者団体の参加がされていません。このことは大きな課題だと私たちは考えています。(山田)


 

日頃より障害福祉施策の推進をいただきありがとうございます。
 
障害の合理的配慮に係る意思の表明に際して、精神障害や発達障害や高次脳機能障害等の場合は偏見や差別の問題から、障害の開示が困難なケースが相当にあります。このことにより、本人が合理的配慮を希望するにも関わらず、建設的対話それ自体に困難が伴うといった問題が起きています。このことにより、精神障害や発達障害や高次脳機能障害等のある人が合理的配慮を得ることが構造的にハンディを抱えるばかりではなく、これらの偏見や差別の問題が社会の中で潜在化する恐れがあることに懸念を表します。これは共生社会づくりにあたって最も障壁となる問題のひとつだと考えます。今回の基本方針改定にあたって最大限の留意を切にお願い申し上げます。これに鑑みて、基本方針案に以下の点の追記を提案いたします。

1.合理的配慮の基本的な考え方(該当箇所 p6―2行目)
 合理的配慮は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状況に応じて異なり、多様かつ個別性の高いものである。・・・これの以降に下記を追記すること。
「また、偏見や差別の問題から合理的配慮に係る意思表明の困難がある現状から、建設的対話のあり方を考慮したり、特にプライバシー配慮については留意をすることが求められる

2.環境の整備について(該当箇所p9-22行目)
・・・環境の整備は、障害者との関係が長期にわたる場合においても、その都度の合理的配慮の提供が不要となるという点、これの以降に下記を追記すること。
偏見や差別の問題から合理的配慮に係る意思表明の困難がある現状の課題解決のために
 
3.啓発活動について(該当箇所 p14―22行目)
・・・また、各種啓発活動や研修等の実施に当たっては・・・これの以降に下記を追記すること。
偏見や差別の問題から合理的配慮に係る意思表明の困難がある現状についても」(理解を促す必要があることに留意する。
 
なお、精神障害や発達障害や高次脳機能障害等の障害者団体により推薦を受けた障害者政策委員会の委員として不在の状況が続いています。このことは由々しき問題です。精神障害や発達障害や高次脳機能障害等により構成される代表性のある各障害者団体の参画が不可欠です。このことについての改善も併せて提案申し上げます。

▼参考:障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(改定案)に関する意見募集について(内閣府・2022年12月)(外部リンク)

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