【報告】第49回お話会 /言葉の重み

12月27日(日)
@東京都障害者福祉会館 和室

クリスマスが終わり、一気に年末モード到来。
コロナ禍の中、思っていたよりも人が多い師走です。
そんな中での、2020年最後のお話会。
今回は10名(うち初参加は3名)の方々が来てくれました。

「誰かと話したいなと思った時にすぐいけて、感じていることを素直に語り会える場所があればいいな。ふらっと気軽に行ける場所が欲しい」

当事者会、デイケアや生活支援センター、就労移行事業所など、精神障害当事者が気軽に行きたい時に行ける場というのはあまり多くないかもしれません。当事者会の集まりは月に1回〜数回程度の実施団体がほとんどだと思いますし(近頃はコロナの影響で開催自粛している会も多いです)、
デイケアや生活支援センター、就労移行事業所などは、就業されている方には参加が難しかったり、それぞれの施設には利用の目的があるので目的に合わない人は利用が難しい部分があると思います。自分にマッチする居場所や心の避難所がより身近にあればハッピーですが…そう簡単に自分の居場所は見つからないもの。
色々な場が存在して、行ける場所の選択肢をより多くするために必要なことって何でしょうか。個人個人の頑張りではないところでのパワーが必要に感じます。

「次の世代のためにもすぐ辞めないで会社と話し合いすることも選択肢のうちの一つなのかもしれないな、と思う。」

障害者雇用で就労中の方が、現職を辞めようか迷っているというお話の中で出してくれた言葉です。自身の職場での働きづらさのもどかしさや体調などのしんどさ。なんとか次の人にとって良い職場環境を残していけないかという気持ち。いろんな複雑な気持ちが垣間見えた言葉でした。

「職場の中で互いに学び合えたらいいよね。」

働く上での合理的配慮について話をしていた時に出た言葉です。
現在の精神障害者の就労の場で合理的配慮をしっかりと求め受けられているかというと、そうでない人は多いと過去の報告記事にも掲載してきました。当事者と雇用主との間に立ち当事者が職場に定着できるように支援する役割としては、就労定着支援やジョブコーチなどがあります。しかしこれらが
当事者にとって使いやすく、職場に定着することに役立つ仕組みだと言い切るにはまだ早い状況にあるようです。

  • 就労先である企業や組織の担当者は人事部門の方であることも多く(求める配慮はまずはこの担当に伝えている)、実際に働いている部署の上司や同僚がどこまで自分の障害や求めた配慮について知っているのかも不明で、手探りで就業中。
  • 当事者が求める配慮や心配事のヒアリングは当事者と支援者(就労定着支援の担当やジョブコーチ)の二者間。加えてヒアリングした内容を伝えるのは支援者と就労先の担当者との二者間のみで行われる形が多い。当事者にとって直接に伝えづらい内容を支援者が就労先に伝え調整を図ってもらえるという点では心強い部分もあるが、場合によっては当事者と就労先との理解や認識に齟齬が生じることもある。
  • サービスには利用期間が設けられている。(就労定着支援は3年間。ジョブコーチは一般的に2〜4ヶ月間)利用期間が終了して以降は自力で相談していくと考えた時に出てくる不安感。

当事者不在の伝言状態をなくすためにも当事者・実際に働いている部署の上司・支援者の三者が同じ場で対等に話し合いや学び合う時間を持つことが増えていくといいなと思います。当事者から配慮を求めることの難しさ、配慮したいけど難しい職場側の困りごとなど、互いの立場や求めること・困りごと・心配ごとなどを対等な目線で学び合って調整を図っていく機会の重要性を感じます。
そして当事者が納得した範囲で同部署の同僚へも求められた配慮について理解をしてもらうことも大事だと思います。
難しいことかもしれませんが、求められた配慮についての疑問などがあれば当事者本人に質問すること、そして当事者本人も話せそうだな、と思った時は勇気を出してお話をしてみることも、もしかするとコミュニケーションのきっかけになるかもしれません。
互いに学び合うことで培われる信頼関係が互いにとって働きやすい環境につながっていくことになるのでは、と思います。

参加者より紡ぎ出された言葉たち。
一つ一つの言葉の中に、その方が背負っているものや現在の社会がもつ課題の重さを感じます。

■終わりに

2020年が終わります。

来年も、お話会を継続して開催できたらいいなと思います。
色々な想いを自分の心だけに置いておくことが難しいときは、ぜひお話しに来てほしいなと思います。
私自身も皆さんも、無理ない形でやりたいことやったり働けたり、どうしようもない時はゆっくり休んだりなど、していけたらいいなと思っています。

今年もたくさんの方々にお世話になったり協力いただいたりなど、ありがとうございました。
2021年もどうぞよろしくお願いします。

なお、今年度のお話会の取り組みは、パルシステム東京市民活動助成基金の助成のもと運営されています。

(佐藤)

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