【活動報告】第99回お話会レポート(挑戦してみたいこと、睡眠の工夫など)
ゴールデンウイーク中、初夏の陽気の5月3日、第99回お話会が東京都障害者福祉会館にて行われました。会場の窓を開けると心地良い風が入ってきました。今回は、初参加の方4名を含む12名のご参加がありました。遠方からの参加者より地元のお菓子の差し入れがあり、より和やかな雰囲気で会が始まりました。
◇挑戦してみたいこと
お話会には様々な年代の方が参加されています。自分とは異なる年代の当事者の方の考えや経験を聞けるところも、お話会の魅力です。
ある若い参加者から、「これから障害者雇用などで就労したいと考えているが、副業禁止の規定が多いと聞く。同時に、自分がやってみたい活動も平行してできるだろうか。もしそうされている方がいれば、経験を聞いてみたい」との質問が上がりました。
働きながら趣味などの活動もするのは、より体力を使いそうな気もしますが、仕事と別のことを両立することで相互に良いエネルギーがわいてくることもあります。参加者の方からは、「当事者の友人の中には、働きながらYouTubeで情報発信をしている人や、ピアサポーターとして活躍している人もいる」などの例があげられました。
それに対して、質問をしてくれた方から、「当事者会を立ち上げてみたいとも思っている」との思いも語られました。今後の活躍を応援したいです。
また、別の若い方からは、「やってみたいことが思い浮かばず悩んでしまうが、それでも、世の中の役に立ちたいという思いもある。一方で自分には目指すものがないのでどこに向かっていいのかわからない感じもある。皆は何か目指していることなどあるのだろうか」という声がありました。
「具合が悪かったりすると家から出られないこともあるが、社会とつながりたいという思いは誰しもが持っているものだと思う。自分の日々の営みを顧みて、社会とのつながりを改めて感じてみるのもひとつではないだろうか」という意見からは、いろいろと惑わされずに、日々の生活を送ることを大事なことだと信じて良い、というエールの気持ちが感じられました。
また、「家族の介護をきっかけに、自治体が行っている介護の講座を受講し、ボランティアもするようになった。お礼を言われることもあり、ありがたい」という経験談も共有されました。
目指すものが明確にあり、それに向かって努力するのも素晴らしいことですが、実際に生活していく中で「とりあえずやってみる」というのもとても大事なことです。やってみてこそ、それが自分に合うかどうかを知ることができたり、その後に続くきっかけになっていたことにあとから気付いたりすることもあります。
ある参加者の方からは「その真面目な気持ちにとても好感が持てる。そのままで良いと思いますよ」と、励ましの声も送られました。
◇睡眠の工夫
「朝起きるのがつらい。眠るときは睡眠薬を服用しているが、朝がどうしても起きられない。目覚まし時計のスヌーズ機能(一度アラーム音を切っても、数分後に再び鳴るように設定できる機能)を使っていて、それを5、6回繰り返しても動けずにいる。これまでにも様々な方法を試したがあまりうまく行かない。皆さんはどうしているのだろうか」という悩みが出されました。
「やはり、太陽の光を浴びて、新しい空気を入れるのが良いのではないか。自分は起きたら窓を開けて換気をしている。それから水を飲んだりして、30分ぐらいかけて体を起こしている」との経験があげられました。
「窓を開けに行くために起き上がるのが難しいですよね」と共感も示されつつ、やはり光を浴びるのは大事だという声もありました。「運動もやはり良い睡眠のために大切だと体感している。午前中に少し歩いて光を浴びると、体がリセットされる感じがして、眠りやすくなる」という方もいました。
皆さんの経験を聞いて、質問した方は「換気というのは試したことがなかった。窓を開けるまでをまずは頑張ってやってみようと思います」と言われました。
薬についても関連して話題に上がりました。「睡眠薬は、OD錠(口腔内崩壊錠、水がなくても口の中で溶けて服用できる錠剤)も役に立っている。枕元に置いておけば、布団に入って体を休めてから、再度立ち上がらなくても服薬できるので使っている」。
また、睡眠薬を減らしたことで眠りが良くなったという経験もあげられました。「眠剤を飲むと朝がしんどくて…。薬の量を減らすと楽になった。朝起きやすくなった」。関連して、睡眠薬以外の話も出されました。「頓服薬は副作用の眠気で余計につらかった」。
適切に薬の助けを得ることが私たちの生活に必要なこともありますが、効き方や副作用の現れ方は人それぞれで、調整がつらいときもあります。仲間の皆さんの経験を聞くことで、自分の助けにもなると思いました。
「どうしてもつらいとき、どう安全にそのつらさを吐き出すかということを工夫している。この工夫が自分にとってはむかしの頓服薬の代わりかもしれない」と、服薬と同時に薬以外の方法も模索しているという声もありました。
質問をした方は、仲間の様々な経験の共有を通して、「たしかに、眠剤を減らしてみるというのはありかもしれない」と、朝起きられないつらさをどう解決するか、相談していきたいと言われました。
◇おわりに
お話会の最後の時間には、一言ずつ感想を共有しています。今回は、「自分の診断とは違う方の話も聞けて、学べたし、つながりを感じました」「これまでの自分のつらかったことも、ここで話せて幸せでした」などの言葉がシェアされました。
次回は第100回の節目の会となります。たくさんの仲間に参加いただいていることで、広がりをつくってこられたと感じています。今後も、皆さんの参加をお待ちしています。(相良)